ほたるBBの 絵と 本と 雑感日記

60代後半に再開したお絵描きと、読書の備忘録。考えさせられたことなども綴ります。

困ってるひと (大野更紗) ポプラ社 

[内容] 難病を発症した女性が、ミャンマー難民研究と、自分の病気を綴ったベストセ ラー本。 「わたくし、つまりNobody賞」を受賞。 [感想] 闘病中にウェブに書いていたものを書籍化。壮絶な内容だが、著者の逞しさと ユーモアのある文章のお陰で、一気に読…

サードマン (ジョン・ガイガー) 新潮社 

[内容] 極限状態に陥った人の多くが体験しているという、サードマン現象について 考察された本。 副題は『奇跡の生還へ導く人』 [感想] サードマンとは死が差し迫る危機的状況に陥った人に、突然現れて寄り添い 生還へ導いてくれる“第三の人”のことで、昔か…

<絵本>『くずかごに頭を』『りゅうのめのなみだ』

★『くずかごに頭を』(いたざわ しじま) 集英社 [内容] 1匹の子猫と、子猫を拾って家族にしてくれたママの物語。 [感想] YouTubeの動画が評判となり、小さな絵本となったもの。 シンプルな絵が可愛い。 優しいママと、いつの間にかいなくなった女の子。 …

競争からちょっと離れると人生はうまくいく(枡野俊明)三笠書房

[内容] 禅の教えから学ぶ生き方が説かれている。 副題は『禅的、「比べない」「責めない」「こだわらない」生き方』 [感想] 著者は美術大学の教授で、庭園デザイナー。禅僧でもある。 他にも多くの本を出しており、『心配事の9割は起こらない』はベスト…

ケーキの切れない非行少年たち (宮口幸治) 新潮社

[内容] 非行に走る少年達の実態と、その原因・更生の方法・予防法が解説されている。 [感想] 著者は児童精神科医で、医療少年院で非行少年達と関わってきた経験から、 学校教育に欠けているものと、彼らに本当に必要なものに気付いたという。 少年鑑別所に来…

職業は武装解除 (瀬谷ルミ子) 朝日新聞出版

[内容] 世界の紛争地域の、復興と治安維持に携わった経験が綴られている。 [感想] 日本にもこんな凄い女性がいたのかと驚いた。 シリアスな内容だが、時にユーモアを交えた分かりやすい文章。 高校生の時、ルワンダ虐殺の写真を見て著者が思ったのは 「日々…

病んだ家族、散乱した室内 (春日武彦) 医学書院 

[内容] 精神科医による、精神病患者の援助者としての心構えと、実践の為の指導書。 副題は『援助者にとっての不全感と困惑について』 [感想] 精神分裂病(統合失調症)を始め、依存症、ウツ、痴呆といった脳や心の病に 関する説明と、経験に基づいた指導が具体…

ネット検索が怖い (神田知宏) ポプラ社

[内容] インターネットによるプライバシー侵害・風評被害・誹謗中傷などの対策方法。 [感想] 著者は2014年にグーグルから、検索結果の削除仮処分決定を勝ち取った 弁護士で、削除に関わることや裁判に関して詳しく書かれている。 ネットへの書き込みで苦しむ…

31歳で天才になった男 (ジェイソン・パジェット) 講談社

[内容] 暴力事件により脳に損傷を受けて、後天性のサヴァン・共感覚者となった男性 の半生が語られている。 副題は『サヴァンと共感覚の謎に迫る実話』 [感想] 友人達と奔放な毎日を送っていた著者は、31歳の時にバーを出たところで 強盗に遭い、殴る蹴る…

それでもやる  (辰吉丈一郎) 小学館 

[内容] プロボクサー辰吉丈一郎の自伝・メッセージ。 [感想] 著者は1970年生まれの元WBCバンタム級王者で、通称は浪速のジョー。 本書は41歳の時のもので、生い立ち、自身のボクシング歴、ボクシングに対 する夢と家族への思い、何故現役にこだわるの…

かけがえのないもの (養老孟司) 新潮文庫 

[内容] 著者の10年間の講演内容を、出版社がまとめたもの。 [感想] 固定観念を捨てて自分で考えて行動することと、自ら選ぶことの大切さを説い ている。そして「何でもいいが、人間が意識して作ったものでないものを、1日 に1回15分でいいから見てほしい。」…

たった一人の30年戦争 (小野田寛郎) 東京新聞出版局 

[内容] 第二次世界大戦後の30年間、ルバング島で兵士として生きた男性の自伝。 [感想] 著者の少し前に、28年間グアム島で潜伏していた残留日本兵の横井庄一氏が 発見されているが、テレビで見る2人の印象は全く違い、著者の眼光の鋭さに 驚きをもって見入っ…

世界で一番いのちの短い国 (山本敏晴) 小学館 

[内容] シエラレオネで、MSFスタッフとして働いた日本人医師の活動の記録。 副題は「シエラレオネの国境なき医師団」 写真も多数あり。 [感想] 本書は2002年の初版本に加筆修正して、2012年に出版されたもの。 冒頭で著者は「国際協力の現場の実情」と「本当…

「地域猫」のすすめ (黒澤泰) 文芸社 

[内容] 横浜市の保健所の職員である獣医師が、ノラ猫を地域で飼育管理する方法と その事例を紹介。副題は『ノラ猫と上手につきあう方法』 [感想] 著者は “地域猫”の発案者で、本書ではノラ猫の適切な管理方法と、このやり方 が生まれるまでの経緯も語られて…

死刑絶対肯定論 (美達大和) 新潮社 

[内容] 無期懲役囚が獄中から、重刑や死刑制度の必要性を訴えた本。 副題は『無期懲役囚の主張』 [感想] 本書は「受刑者によって書かれた貴重な本」「検証できず信用できない」など、 評価は大きく分かれるが、知らないことも多く考えさせられる本だった。 …

申し訳ない、御社をつぶしたのは私です。(カレン・フェラン)  大和書房

[内容] コンサルティング業界の手法と、移り変わり、失敗を実例と共に解説。 副題は『コンサルタントはこうして組織をぐちゃぐちゃにする』 [感想] 著者はベテランの経営コンサルタント。所々にユーモアを交えながら、コンサ ルティング業界が犯してきた過ち…

実録「取り立て屋」稼業 (杉本哲之) 小学館 

[内容] 大手消費者金融を退職後、多重債務者の相談員となった男性が書いた本。 副題は『元サラ金マン懺悔の告白』 [感想] 消費者金融はかつて“サラ金”と呼ばれており、多重債務などによる自殺者が 増えて社会問題になったことがある。当時の裏事情を知りたい…

<漫画>その後のツレがうつになりまして(細川 貂々)幻冬舎

[内容] [感想] 夫のうつ闘病生活を描いたベストセラー『ツレがうつになりまして』の続編。 仕事のストレスからうつ病にかかった夫が、闘病生活を乗り越えたその後の 日々が描かれている。(当ブログで感想文を書いた「新型うつ病のデタラメ」の 著者も、本物…

昆虫はすごい (丸山宗利) 光文社

[内容] 多くの昆虫の生態について、様々な角度から解説されている。 [感想] 4つの章に分けて、ひたすら昆虫の話が続くのだが、これがとにかく面白い。 昆虫の社会生活は人間社会の縮図だそうで、表紙裏には 「私たち人間がやっている行動や、築いてきた…

ルポ 差別と貧困の外国人労働者 (安田浩一) 光文社

[内容] 日本で働く出稼ぎ労働者の、過酷な労働と搾取の実態を告発した本。 [感想] 本書では主に、中国とブラジルからの労働者の現状について書かれている。 建前は研修だが、安上がりでいつでも解雇できる労働者として、理不尽な扱 いを受けている中国人…

ヤクザと原発 (鈴木智彦) 文藝春秋

[内容] 福島の原発事故直後に、真実を探る為に素性を隠して原発作業員として働いた 体験談。 副題は『福島第一潜入記』 [感想] 著者はヤクザ専門のノンフィクションライターで、ヤクザ専門誌『実話時代』 の元編集長。本書は2011年夏の約2か月間、福島第一原…

「すみません」の国 (榎本博明) 日本経済新聞出版

[内容] 「すみません」を筆頭に、日本人の“お約束”の言動を掘り下げて解明。 [感想] 日本人は「有難う」「ごめんなさい」と言うべき時に「すみません」と言う ことが多い。又、謝罪する状況ではない時でも、殆どの人がこの言葉を使う。 著者はそれを批判…

医療問題の“怪”を解く(西成田進)人間と歴史社 

[内容] 副題は『団塊医師の小さな異議申し立て』 医療現場や社会の問題部分に 焦点を当てて、真面目に時にユーモラスに解説している。 [感想] 幅広い内容で、事例も豊富。病や健康・病院の在り方に関してのエピソードも 興味深かったが、それ以外の話も…

そうだ!絶対うまくいく!(村上和雄)PHP文庫   

[内容] 眠れる遺伝子の目覚めさせ方を、著者の歩みを振り返りながら解説している。 [感想] 著者は高血圧の黒幕「レニン」の遺伝子解読に初めて成功した、筑波大名誉教授。 “サムシング・グレート”という概念には科学的根拠が無い、と批判する向きもある が、…

弁護士の仕事術・論理術 (矢部正秋) 成美文庫    

[内容] 仕事・生き方・考え方について、誰にも分かりやすく説かれている。 [感想] 高齢者にはあまり参考にならない内容かと思ったが、そんなことはなく、 「報道や人の話を鵜呑みにせず、物事を客観的に見、自分で深く考え、人生を豊 かにせよ。」など、…

寡黙なる巨人 (多田富雄) 集英社 

[内容] 脳梗塞で重度の障害を負った世界的な免疫学者が、自らの思いを綴った闘病記。 [感想] 倒れた後、深い眠りの中で死の国をさまよう夢(?)を見ていた著者。目覚めた後、 声を失い右半身不随になっていることに気付いた時は、恐怖ですすり泣いたと い…

コンビニ店長の残酷日記  (三宮貞雄)  小学館新書 

[内容] コンビニ経営の過酷な実態と、客とのエピソードが日記風に綴られている。 [感想] 著者は脱サラでコンビニ経営を始めた人で、全般に明るい調子で書かれてい るが、結構酷い話が多い。驚くのが何と言っても本部との関係で、これでは コンビニオーナ…

臓器移植 我、せずされず (池田清彦) 小学館文庫 

[内容] 臓器移植に反対する理由を、医学、経済、倫理など多方面から論理的に説明。 [感想] 著者の臓器移植に対する指摘や危惧は、至極尤もだと思いながら読んだ。 以下、バッサリと切ってる箇所を一部抜粋。 ◎「脳死者への治療は死体棄損罪」という移植…

動物と話せる女性ハイジ (ハイジ) ワニブックス

[内容] 『志村どうぶつ園』で有名なアニマルコミュニケーターの女性が、自身の半生 と動物達とのことについて綴っている。 [感想] 字が大きく、難しい漢字にはフリガナが振られていて、写真が豊富。本書で は様々な種類の生き物とのリーディングが語られ…

サムスンの真実 (キム・ヨンチョル) バジリコ 

[内容] サムスンの元社員による、不正の内部告発本。副題は『告発された巨大企業』 [感想] 著者は元特捜検事で、サムスンで法務スタッフとして7年間勤めた後に退職。 サムスンは韓国最大の財閥で巨大企業グループだが、その実態は一握りの親族 によって…