[内容]
眠れる遺伝子の目覚めさせ方を、著者の歩みを振り返りながら解説している。
[感想]
著者は高血圧の黒幕「レニン」の遺伝子解読に初めて成功した、筑波大名誉教授。
“サムシング・グレート”という概念には科学的根拠が無い、と批判する向きもある
が、この名前の名付け親である著者は、科学者だからこそ信じられるという。
本書では “幸せ遺伝子オンになる生き方” について、5章100項目に分けて解説。
章ごとにポイントが分かりやすく箇条書きされている。
人間は30億もの膨大な遺伝子情報を持ちながら、その殆どはオンになっていな
いそうで、遺伝子をオンにするためには、自分で限界を作らないことが大事だとか。
遺伝子はかなり強い刺激やチャレンジがないとオンにならない為、強い思いを持
って、努力を惜しまず、失敗から学び、決して諦めないこと。
そして感謝と感動、謙虚な心でいると、必ず助けの綱が降りてくるという。
著者の場合も、やれるだけやった後の行き詰まった状態の時にそれは起きており、
『人は 「何という偶然か」 と言うのでしょうが、最初の1つか2つだけ頑張れば、
あとはサムシング・グレートが助けてくれる。』と言っている。
他にも 「一流に交われば一流になる」 「不測の事態を面白がる」
「類トモより異種トモの方が自分を成長させる」「笑いの効果」など、為になる
話が実例と共に沢山語られていて面白かった。
「ケニアで発見された約150万年前の類人猿は闘争した痕跡が全く無く、互いに
助け合っていた形跡が残っていた。」という話も印象深かった。
昔、「人間は本性的に暴力的で、殺し合いは無くならない」という説を初めて知った
時は心底ガッカリしたものだが、今後どんな説が登場するか…楽しみだ。