[内容]
極限状態に陥った人の多くが体験しているという、サードマン現象について
考察された本。 副題は『奇跡の生還へ導く人』
[感想]
サードマンとは死が差し迫る危機的状況に陥った人に、突然現れて寄り添い
生還へ導いてくれる“第三の人”のことで、昔から探検家の間では広く知られ
ていることだという。
本書では登山家、探検家、9.11テロ事件の被害者など、世界的有名人から
一般の人まで、事故生還者の体験が多数紹介されている。
どのケースもよく生きて帰ってこられたと思うほど壮絶で、サードマンの話も
さることながら、こちらもインパクトの強い内容となっている。
サードマン現象に共通しているのは“第三の人”の慈悲深さで、どの人の話も
驚くほど似通っている。そして体験者の多くが、自分では知り得ない道に導い
てくれた人物に恐怖を感じることはなく、“守護者”と思っている点も同じだ。
ところで、この世で同じように九死に一生を得た人の中には、サードマンなど
現れなかった人も多く、この違いは一体どこから来るのだろう。
著者はサードマン現象を科学的な視点で解き明かそうとしており、様々な分野
の研究結果を取り上げている。
科学者の場合は、この現象を脳機能の異常つまり幻覚や妄想だと断言している
が、複数の人に同時に起きたケースの場合はどういう説明になるのだろう。
この手の話の検証結果に“絶対”は無いと思うのだが、脳科学や宗教・精神医学
など、どの分野の人も確信的な言い方をしている。
日本にもサードマン体験を真面目に語っている人達がいるので、彼らの話をまと
めたものが有ったら、是非そちらも読んでみたい。