[内容]
コンサルティング業界の手法と、移り変わり、失敗を実例と共に解説。
副題は『コンサルタントはこうして組織をぐちゃぐちゃにする』
[感想]
著者はベテランの経営コンサルタント。所々にユーモアを交えながら、コンサ
ルティング業界が犯してきた過ちを、実名を挙げて詳細に説明。「コンサルタ
ントの報告書と、自分達で分析したものとでは雲泥の差がある。」と警告する。
要するに鵜呑みは厳禁で、自分の会社の事を何も知らないコンサルタントに、
代わりに考えてもらってどうする。依存し過ぎるなということだ。
ちなみに、著者が実際に会社を潰してしまったわけでは無い。
以下は目次で、これが本書の内容の要約と言ってよいと思う。
「戦略計画は何の役にも立たない」 「最適化プロセスは机上の空論」
「数値目標が組織を振り回す」 「業績管理システムで士気はガタ落ち」
「マネジメントモデルなんていらない」
「人材開発プログラムには絶対に参加するな」
「リーダーシップ開発で食べている人たち」
「ベストプラクティスは“奇跡”のダイエット食品」
以下も、心に留めておかなければいけない大切なことだ。
・ビジネスは人であり、成功のカギは結局は現場とのコミュニケーション。
・経営戦略にも流行があり、万人に有効な手法なぞ無い。
・コンサルタントの考えた理論を忠実に実行していると、余計な仕事が増えて
本来の業務に支障が出かねない。
著者はコンサルタントを否定しているわけではなく、彼らのアドバイスを
参考にしながら、自分で考え自らの責任で決めるようにと言っている。