ほたるBBの 絵と 本と 雑感日記

60代後半に再開したお絵描きと、読書の備忘録。考えさせられたことなども綴ります。

申し訳ない、御社をつぶしたのは私です。(カレン・フェラン)  大和書房

[内容]  

コンサルティング業界の手法と、移り変わり、失敗を実例と共に解説。

副題は『コンサルタントはこうして組織をぐちゃぐちゃにする』

[感想]

著者はベテランの経営コンサルタント。所々にユーモアを交えながら、コンサ

ルティング業界が犯してきた過ちを、実名を挙げて詳細に説明。「コンサルタ

ントの報告書と、自分達で分析したものとでは雲泥の差がある。」と警告する。

 

要するに鵜呑みは厳禁で、自分の会社の事を何も知らないコンサルタントに、

代わりに考えてもらってどうする。依存し過ぎるなということだ。

ちなみに、著者が実際に会社を潰してしまったわけでは無い。

 

以下は目次で、これが本書の内容の要約と言ってよいと思う。

 

「戦略計画は何の役にも立たない」  「最適化プロセスは机上の空論」

「数値目標が組織を振り回す」  「業績管理システムで士気はガタ落ち」

「マネジメントモデルなんていらない」

「人材開発プログラムには絶対に参加するな」

「リーダーシップ開発で食べている人たち」

「ベストプラクティスは“奇跡”のダイエット食品」

 

以下も、心に留めておかなければいけない大切なことだ。

・ビジネスは人であり、成功のカギは結局は現場とのコミュニケーション。

・経営戦略にも流行があり、万人に有効な手法なぞ無い。

コンサルタントの考えた理論を忠実に実行していると、余計な仕事が増えて

 本来の業務に支障が出かねない。

 

著者はコンサルタントを否定しているわけではなく、彼らのアドバイス

参考にしながら、自分で考え自らの責任で決めるようにと言っている。