ほたるBBの 絵と 本と 雑感日記

60代後半に再開したお絵描きと、読書の備忘録。考えさせられたことなども綴ります。

ボランティア活動と経済的自立、どちらを優先するか。 

ボランティア活動は昔より身近になったと言われるが、それでも日本は

他の先進国に比べて、ボランティアに参加する人が少ないという。

 

一口にボランティアと言っても様々な種類があり、例えば趣味の演芸を

披露するのは、提供する側にとっても楽しいイベントとなる。

しかし、命の危機にある人々や動物が対象の場合は、困難が多い上に精神的

な辛さが大きくて、やり続けるには覚悟がいる。

 

たまに、経済的に自立しないまま何年もボランティアに打ち込む若い人への

疑問や心配の声を聞くことがある。

 

若い人のボランティア活動には、本人も成長するなどプラスの面が沢山あり、

又ごく稀に本気で頑張ってリーダー候補となる頼もしい人もいるので一概に

は言えないが、もし何年も定職に就かず家に僅かの食費を入れてるだけの人

がいたら、一度きちんと自分の足元を見た方がいい。

 

親が資産家でしかも応援してくれているのなら別だが、いつか生活に行き詰

まり家族や身近な人に迷惑をかけることになりかねない。

ボランティア活動は、自分が安定していてこそ継続出来るものだ。

 

又大きな団体なら別だが、小さなグループに寄せられる寄付金は僅かで、持

ち出しは当たり前。自分達がカンパに加わることも少なくない。

 

昔「自分一人、そこそこ食べられる最低限の収入があればいい。」と話す若い

人に、私は「それじゃあ家族も養えないし、猫の子1匹助けられないよ。」

と言ったことがある。

(犬猫はご飯以外にも不妊手術や予防接種、病気になれば病院代もかかる。)

 

いや、自立できるだけで十分立派なのだが、ボランティア活動においても

先立つものはお金。思いや情熱だけではどうにもならないことがある。

 

もっと言えば、経済的強者になることで彼らの思いは何倍も実現可能になる。

あと、自分でお金を稼いで生活することの大変さを知らない人間に、寄付金

の有難さをどこまで実感できるか…といった問題もある。

 

経済的自立に関しては、特に男性によく考えてほしいと思う。

社会は進歩しており男女平等と言われるが、女性と違って男性は「将来は

専業主夫か家事手伝い」…という選択は難しいのが現実だ。

本人に世間の目や、男としてのプライドにとらわれない覚悟があるのなら

別だが。

読書感想『お天道様はみてる尾畠春夫のことば』(白石あづさ)

[内容]

スーパーボランティア尾畠氏への、3年に及ぶインタビューをまとめた本。

[感想]

尾畠氏は2018年に、捜索隊が3日間探し続けていた2歳の幼児を、僅か20

分で発見して一躍有名になった人。

 

本書では、明るくユーモアのある氏の壮絶な生い立ちに驚かされ、信念を持

ったボランティア活動のエピソードには心から敬服。豊富なカラー写真も氏

への理解の一助となった。

 

尾畠氏にとってボランティアは“させていただく”もので、対価・物品・飲食

を求めないのが基本。活動中の衣食住も全て自前だそうだ。

ボランティア活動をしていない時は、月に55,000円の年金で質素に暮らし、

80歳を過ぎた今も健康維持の為に毎朝8㎞を走っているという。

 

子供時代は飲んだくれの父親から酷い暴力をふるわれ、5年生の時に母親が亡く

なって、その数か月後には兄弟でただ一人農家へ奉公に出されている。

小5から中3までの5年間、学校には合計3カ月半ほどしか行くことが出来ず、

空腹と重労働と孤独の日々を過ごす。見かねた近所の人が野菜をくれたりしたが、

栄養が摂れなかったせいで、19歳で総入れ歯になってしまった。

 

しかし尾畠氏は当時の事を「お陰で忍耐力・生き抜く力・プラスに考えること

が出来るようになった。」と語る。どうしたらそんな風に達観できるのだろう。

著者は彼を「好奇心の塊のような人」と評し、下山する度に山に丁寧にお辞儀

をし、生きとし生ける全てに感謝するその真摯な姿にも目を見張る。

 

15歳で魚屋に奉公、29歳で独立して65歳の時に店を閉めて引退。

8年前に、43年間連れ添った奥さんからの申し出で別居しているのだが、

「帰らないでもいいし、帰ってくりゃあ、帰ってきたでいい。」と話す。

やはり常人とは少し違うようだ。

 

以下に尾畠氏の話の中から、印象深かったものを幾つか抜粋。

 

◎もうちょっと出来るところでやめるのが、ボランティアを続けるコツ。

◎昔は人の家の柿を採っても「なんぼ採って食ってもいいけ。但し柿の枝

 は折れるから気いつけろよ。」って、そういう時代やった。

◎(四国霊場八十八か所の巡礼で)

 今まで商売とはいえ、沢山の魚を殺してきたっちゃ。その供養の旅なんよ。

◎先にいた動物を有害っていうのはおかしいでしょ‐(略)‐動物から見たら、私を

 含めて人間ほど悪くて最低の動物はいないんよ。

◎苦しい時こそ半歩でも外に出て‐(略)‐外の空気ちゅうのは、全然味が違うんよ。

 

それにしても、写真の笑顔が可愛い(^^)。

経済的に困窮する母子家庭  

中学の同級生に、明るい性格だが少しオキャンな感じの女の子がいた。

20代前半の時、その子が突然生命保険の勧誘で実家に来たので驚いた。

 

以前見かけた時は少し派手な印象だったが、いま目の前にいる彼女は、

シミのついたスカートに背中には赤ん坊。

私はその変わりように驚いて、取り敢えず家に上がってもらった。

そしてお喋りの後に、失礼かとは思ったが私の服を何枚かあげた。オシャレ

だった彼女が、私のお下がりを素直に喜ぶ姿に少し胸が痛んだ。

 

彼女の夫はずっと無職だという。事情があって働けないというわけではなく、

どうやらただの“ろくでなし”のようだ。

「でも舌が肥えてる人だから、食費がかかるんだ~。」と笑った彼女の口は、

前歯が1本無かった。

 

夫がいつまでも働かない時、妻は人から正反対のことを言われることがある。

「頑張れと言って追い詰めてはいけない。」

「ダラダラと無職を許している奥さんも悪い。」

 

「追い詰めるな」に関しては、無為徒食の人間ほどズルズルと甘える傾向が

あるので、病気なのかただの怠けなのか、そこはきちんと見定める必要がある。

「無職を許す女房」に関しては、許すも何も妻は働かない夫に頭を抱えている

ことが殆どだ。夫は大のオトナなのだから、妻が責められるいわれはない。

 

同級生が実家に来てから数年後、人伝に彼女が離婚したと聞いた。その後

暫く子供を母親に預けて、ホステスとして働いて仕送りをしていたという。

 

50年も昔の話で、当時は母子家庭への福祉はあまり行き届いていなかった。

それに比べて今はずっと恵まれている。加えて、女性の働く場も広がり、昨今

はしっかり働いて平均以上に稼いでいるシングルマザーも少なくない。

それなのに、今又経済的に困窮する母子家庭が増えているという。

 

父親が養育費を払わない、コロナ禍、など理由は色々あるが、ワンオペが当

たり前の母子家庭は母親が働く時間が限られてしまうこともあり、非正規雇

用・低賃金でしか雇ってもらえないことが多いためだ。

 

学生のバイトや家庭を優先したい主婦の短時間パートなど、敢えてそれを選

んでいる人達もいるので、非正規という雇用形態が一概に悪いわけでは無い。

しかしシングルマザーに限らず“不本意正規雇用者”と言われる人達は、

好きこのんで非正規を選んでいるわけではない。

 

先日「2021年度の企業の内部留保が500兆円を超え、過去最高を更新した。」

という報道があった(金融・保険業をのぞく)。

しかし、それを非正規の給与の改善に反映させる企業は殆ど無いという。

 

内部留保は会社の安定の為に大切なものであり、内部留保=現金ではないと

いうことは承知している。しかし、留保金の一部を非正規雇用者の賃金アッ

プにまわしても殆んど影響は無いと言われ、又、行き過ぎた人件費の削減に

よる企業のデメリットも指摘されているのに、経営側は一体いつ迄この差別

化を続けるつもりなのだろう。

 

ところで、不本意正規雇用者のことを「努力が足りない」「全て自己責任」

と批判する向きがあるが、そこに至った経緯は人によって様々だ。何をもっ

てそんな風に決めつけるのだろうと思う。

黒猫ヤムチャ(色鉛筆画)

 

 ヤムチャがうちの子になった時、

我が家には1匹の犬(ムク)と4匹の猫がいました。

 

ヤムチャはどの子ともよく遊び、

子供の時はいつもムクにくっ付いて寝ていました。

でも、皆あちらの世界に行ってしまい、今は一人っ子。

 

「今日も元気でいてくれて有難う💛」

私が毎日ヤムチャにかけている言葉です(^^)。

読書感想『それをお金で買いますか』(マイケル・サンデル)

[内容]

副題は『市場主義の限界』

この地球上では、ありとあらゆるものが売買の対象となっている。

著者はその事の何が問題なのかを、多くの実例を挙げて深堀解説。

[感想]

今や民間会社が戦争を請け負い、企業や国家間で環境汚染権が売買され、

臓器の売買は公然の秘密となっている。

本書を読むとその他にも、巷ではお金さえ出せば良識もへったくれも無い

取引が横行していることに驚かされる。

 

このような現象に対して著者は、

「商品になると腐敗したり堕落したりするものがある。」

「利他心、寛容、連帯、市民精神-(略)-市場主義の欠点の一つは、こうし

た美徳を衰弱させてしまう事だ。」と警鐘を鳴らしている。

 

例えば“行列に割り込む権利”の販売は、年会費や高めの料金を支払うこと

で、空港やレジャー施設・病院などあらゆる分野で行われている。

ローマ教皇のミサでダフ屋が横行した時は、さすがに教会の役員から非難の

声が上がったそうだが。

 

料金と罰金の線引きも曖昧で難しい。

ある保育所で、親の迎えが遅れた時は罰金を取ることにしたところ、却って

遅刻する人が増えてしまったそうだ。親たちは後ろめたさを感じるどころか、

料金を払って勤務時間を延ばしてもらっていると捉えたためだ。

 

このような“逆手にとる”行為は様々な分野で起きており、たとえば自動車

のドライバーの中には、スピード違反切符を“好きな速さで運転するための

代価”だと考えている人もいるとか。

 

娯楽目的で大型動物を狩る金持ちは昔から世界中におり、本書ではクロサイ

とセイウチを撃ち殺す権利の販売について書かれている。

私も以前ネットで、我が身の安全は保障された場所で、自分が撃ち殺した動物

と共に得意顔で記念撮影をする彼・彼女らを目にしたことがある。

その行為を非難されて慌てる人、開き直る人など様々だったが、このような

魂の行き着く先は知る人ぞ知るだ。

 

第3章の「いかにして市場は道徳を締め出すか」では、多くの具体例を挙げ

て売買にふさわしいものと、そうでないものについて考察している。

例えば、好ましくない公共事業(ゴミの埋立など)を置くことへの補償金。

私立大学への高額な寄付金による入学。血液の売買。…等々。

 

第4章の「生と死を扱う市場」では、

会社が本人の許可なく社員に生命保険を掛け、遺族ではなく企業が保険金を

受け取れる制度や、余命の短い人の生命保険売買産業などについて解説。

これらの保険では、裁判沙汰になるなどトラブルが続出しているそうだが、

そもそも国がそんな保険を許可するなぞ、根本からしておかしいのでは?

 

本書ではその他にも、「広く行われているが、それってどうなの?」と思われ

る事柄が沢山挙げられている。下記はその一部。

 

・学校が共通テストで、好成績を収めた子供にお金を払う。

自治体施設・学校などに、広告を出したり企業スポンサーをつける。

・10代の少女が子宮頸がんの予防接種を受けると、商品券を渡される。

 

この世界では一体何が売買されているのか。実例が豊富なのでそれらを知る

ことで見えてくるものがあり、最後まで興味深く読むことが出来た。

「嫌い」は直せる。  

九州で暮らしていたある冬の日の事。

部屋の掃除をするために炬燵の布団をめくったら、中から10匹ほどの小さな

蛇がウジャウジャと這い出て来て、思わず悲鳴を上げた。

犯人は小1の二男で、わざわざ冬眠していたものを掘り出してきて、暖かい

炬燵に入れていたものだった。本人はそれで保護していたつもりらしい(笑)。

 

私が子供の時は、爬虫類は勿論トンボと蝶々以外の虫は全て駄目で、コオロギ

がトイレにいた時は怖くて、1時間もオシッコを我慢したなんてこともあった。

 

生まれ育った北海道ではゴキブリ(G)を見たことがなく、九州に引っ越して初

めて部屋の壁を這う姿を見た時は、その大きさに思わず鳥肌が立った。

しかもあろうことか、それは恐怖する私に向かって飛んで来たものだから、

それ以来いまだにGだけは駄目で、3男から「差別だ」と言われている(笑)。

ちなみに我が家では、黒猫のヤムチャがうちに来た15年前から、全くGを見

ることが無くなり、衛生面でも有難く感謝・感謝だ。

 

息子達には虫にも命があることと、虫を怖がらない人間になって欲しいと思

い、小さい時から虫を見かけたら「可愛いね」と言って育ててきた。

最初は我が子が虫と遊ぶ姿に鳥肌を立てていたが、その内私にも虫の可愛さ

が分かるようになってきた。いまだに触(さわ)れないものも多いが^^;。

 

その当時近所の女の子(5才)が、足元の雨蛙に驚いて悲鳴を上げながら何度も

踏みつけて殺してしまうという出来事があった。

この子のお母さんは虫や爬虫類が大嫌いで「虫や蛙を怖がらない女性は、女

として可愛げが無いわよ。」と説教(?)されたこともある。

 

嫌いなのはしょうがない。生まれながらに苦手、という人もいるだろう。

しかし悲鳴を上げて逃げているうちは良いが、人は恐怖から残酷になること

がある。あの時の女の子の行為は正にそれで、間違いなく母親の影響だった。

 

子供の時からの感覚を直すのは大変だが、私の経験からも克服出来るのは

間違いないので、虫嫌いの人は是非改善に挑戦してみてほしい。