ほたるBBの 絵と 本と 雑感日記

60代後半に再開したお絵描きと、読書の備忘録。考えさせられたことなども綴ります。

戦争の犬たち (主演)  クリストファー・ウォーケン

[内容]

アフリカの小国にクーデターを勃発させるために雇われた、傭兵の物語。

                     (1980年 製作国アメリカ)

[感想]

傭兵と言えば、大義の無い彼らに必要なのは高い報酬だけというイメージ

だが、傭兵にも国や時代によって様々なタイプがあり、必ずしも報酬が高

かったわけでもないという。題名にある“犬”は侮蔑の意味ではなく、雇い主に

忠実で優秀な戦士という意味だそう。

 

やり手の傭兵シャノンは、天然資源の独占を企む鉱山会社の会長から、

西アフリカの小国ザンガロの独裁者の殺害を依頼される。

写真家に化けてザンガロに偵察に行ったシャノンは、税関で不当にお金を取

られたり、兵士に捕まって牢でボコボコにされるなど、大変な目にあう。

その時彼の手当てをしてくれたのは、同じく投獄の身だったかつての大統領

候補だった。

 

首都を隈なく調べた結果、外部からのクーデターなら可能と判断して報告。

それによって本格的にすべてを任され、仲間と共にクーデターの為の資金や、

武器調達の為に奔走する。

 

途中からこの国の一部の兵士達も加わり、砲撃によって官邸に突入して独裁者

を殺害。寄り合い部隊ながら兵士としては一流だった彼らは見事クーデーに

成功する。

しかし傀儡政権の座に就く予定の男は、金持ちになりたいだけの残酷な男で、

クーデターを依頼した会長は「この国は俺が買ったんだ!」と言い放つ。

 

ラストが見もので、シャロンは傭兵としては失格だが、ザンガル国の為に人と

して真っ当な仕事をすることになる。

戦闘シーンは僅かで、最近の傭兵ものとは一味違った面白い映画だった。

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 空き巣未遂

この何日かの大雪で、私も息子と一緒に雪かきに追われていた。

世の中には雪で繁盛する仕事と、逆に休業状態になる仕事があるが、ふと

思った。年末年始の寒い時期に、空き巣稼業は成り立つのだろうか…。

 

ネットで見たところ、意外にも冬は空き巣が増える時期だそうで、理由は寒さ

で人通りが少ない上に、日が短いため電気がついてるかどうかで留守宅を見分

けやすいのだとか。又年末年始は帰省や旅行で留守にする家が多いのと(今年

は例外)、普段より多めに現金を置いてる家が多いので、かき入れ時だそうだ。

 

昔、空き巣に入られそうになったことがある。

小学校で風疹がはやり、うちも子供3人が立て続けにかかって枕を並べて寝て

いた。昼間私も一緒に眠っていた時に玄関のチャイムが鳴り、寝ぼけ眼で立ち

上がったのと同時に音が鳴りやんだ。

 

帰ったのかと思ったら、雪見障子の向こう側に庭から入って来た男の姿が見えた。

男は辺りを探るように小声で「誰かいませんか~。」と言って、縁側の戸をスル

スルと開けた。私は咄嗟に、少し大きめな声で子供達と会話をしてるふりをした。

 

男は慌てて戸を閉めたが、私にはその顔がしっかりと見えていた。

1週間後、頼んでいた修理の下見にやって来たのが、その人だった。

 

私は男に言った。「先週も来られましたよね。子供達が泥棒かと思って、怖がっ

てたんですよ。」(本当は子供は何も知らない) 男の顔から血の気が引き、何やら

ボソボソごまかして、そそくさと帰って行った。数日後修理に来たのは別の人で、

私はこの事をその会社に言わずにいたのだが、今思うとまずい対応だったかな。

困ってるひと (大野更紗) ポプラ社 

 [内容]

難病を発症した女性が、ミャンマー難民研究と、自分の病気を綴ったベストセ

ラー本。  「わたくし、つまりNobody賞」を受賞。 

[感想]

闘病中にウェブに書いていたものを書籍化。壮絶な内容だが、著者の逞しさと

ユーモアのある文章のお陰で、一気に読むことが出来た。

 

著者は大学在学中に、ミャンマーの難民援助活動に参加。大学院でその研究を

していた25歳の時に、突然自己免疫疾患系の難病 “筋膜炎脂肪織炎症候群“

と”皮膚筋炎”に罹患。

 

高熱や全身の激痛、強い倦怠感に苦しめられるようになり、そのことを

「難民キャンプで苦しむ人たちの姿をまざまざと見てきた-(略)-いくら旅を続けよ

うが、他人事だったのかもしれない。」と告白している。

 

1年に渡る病院めぐりと様々な検査の末に、やっと希少な難病だということが分

かったが、治療法が確立されておらず、対症療法に耐える苦しい日々。

麻酔なしの筋生検、お尻の一部が空洞化、強い薬の副作用等々で、何度か抑う

つ状態に陥ってしまうが、それでもただ嘆くだけでなく、投げやりにもならず、

ひたすら前向きに生きるパワーが凄い。

 

それにしても、この状況でよくこんなユーモアを交えて表現出来るなと、感心しな

がらも痛々しかったのだが、著者は後日のインタビューで 「とにかく読み物として

面白いもの-(略)-誰でもどんな読み方でも出来るものしたい。」という思いだった

と語っている。

 

病院関係者の他、著者の両親、友人、そして恋人には随分と助けられており、本人

の感謝と反省の弁を読むと、他にも色々あったのだろうなと察せられる。

 

著者は今37歳で、現在は医療社会学の研究者として仕事をしている。

社会保障制度や医療のあり方についても、考えさせられることの多い本だった。

ジャッジ裁かれる判事(主演) ロバート・ダウニー

[内容]

ひき逃げ犯として逮捕された父親を、仲違いしていた息子が弁護する法廷

ヒューマンドラマ。             (2014年 製作国アメリカ)

[感想]

ハンクはやり手の弁護士で「無罪の貧乏人は僕を雇えない。」とうそぶく傲慢

な男。実家とは疎遠で、妻とは娘の親権を争っている状態だ。

 

ある日、母親が亡くなったという知らせが来て帰省。自営の兄、知的障害の弟、

元彼女との再会など、少しずつハンクの過去が見えて来る。

判事である父親は、この町では名士だ。嘘をつかない実直な人間だが、頑固者。

ハンクが実家と疎遠になったのは、この父親とのわだかまりが原因だった。

 

葬儀は滞りなく終わったが、帰宅の飛行機の中で父親がひき逃げで捕まったと

いう連絡が来て、急ぎ実家に引き返すことになる。

事故で亡くなった被害者は、かつて父親が判決を下した男で、それだけでも分が

悪いのに、父親には事故の時の記憶が全く無かった。

 

実は父親は、息子達には隠していたがステージ4の癌で、化学療法の副作用で

記憶障害を起こすようになっていたのだ。

 

ハンクは何も知らないまま、父親の裁判の弁護を申し出るが、ハンクにわだかまり

を持つ父親はそれを断って若い弁護士を雇う。だが相手の検察官はやり手で全く

太刀打ちできず、途中でこの弁護士が弁護を辞退。父親はやむを得ず息子に弁護

を頼むのだが、ハンクは思ったより厳しい戦いを強いられることになる。

 

目撃証言やコンビニの監視カメラの映像、そして父親が事故の時の記憶を取り戻

すなどで、少しずつ真相が解明されて残念な結果が出るが、逆に父子のわだかま

りは溶けて、ラストはしみじみとあたたかい。

ジャッジ 裁かれる判事(字幕版)

 

老後のお金と老齢年金について思うこと

10年ほど前のある夏の日、知人(Bさん・50代)の家に行く途中の山道で

道に迷い、初めてカモシカに遭遇して驚くやら嬉しいやら。

程なくして無事Bさんの家に着いたのだが、お隣とは50m以上離れた

山中の古い家で、熊の足跡も見たことがあると言われて目が点になった。

 

Bさんの仕事は自由業。独身で、両親も親戚もおらず暮らしはシンプルだ。

何故こんな辺鄙な場所に終の棲家を求めたのか、彼女の友人が「老後のお

金は大丈夫なのかしら…。」と心配していたのを思い出した。

 

現在 国民年金の受給額は、満額の人でも月に6.5万円。他に備えが無け

れば貧困に陥る可能性があり、Bさんの友人が心配するのは無理もない。

又、日本では単身高齢者の数が増えているが、老齢年金の給付水準は年々

減少しており、今後更に高齢単身世帯の貧困が問題になると言われている。

 

一方日本の高齢者には金持ちも多く、後期高齢者の多くは納めた以上の高

い年金を得、60歳以上は年金の納め得で55歳以下は納め損とも言われる。

少子高齢化社会となり、「年金を受給している高齢世代も、痛み分けでもっ

と年金の減額と医療費の負担増を。」という声が大きくなるのは当然だろう。

 

そんな中、とかくの取り沙汰があるのが“第3号被保険者制度”だ。

会社員・公務員の配偶者で、扶養家族の立場の人(専業主婦など)には有難い

制度だが、不公平を感じている人も多い。厚労省で、廃止も視野に入れての

見直しの議論がなされているそうだが、果たしてどうなるか。

 

やはり一番心配されているのは、年金積立金の半分は株や債券で運用されて

いることだ。累計は巨額黒字だそうでこれは凄いなと思う。しかし、たまに

巨大な赤字額の発表があって驚かされる。リスク管理は相当に大変なようだ。

 

心配無用と言われるが、こうしてみると年金の将来には不安材料が山盛りだ。

サードマン (ジョン・ガイガー) 新潮社 

[内容]

極限状態に陥った人の多くが体験しているという、サードマン現象について

考察された本。 副題は『奇跡の生還へ導く人』

 [感想]

サードマンとは死が差し迫る危機的状況に陥った人に、突然現れて寄り添い

生還へ導いてくれる“第三の人”のことで、昔から探検家の間では広く知られ

ていることだという。

 

本書では登山家、探検家、9.11テロ事件の被害者など、世界的有名人から

一般の人まで、事故生還者の体験が多数紹介されている。

どのケースもよく生きて帰ってこられたと思うほど壮絶で、サードマンの話も

さることながら、こちらもインパクトの強い内容となっている。

 

サードマン現象に共通しているのは“第三の人”の慈悲深さで、どの人の話も

驚くほど似通っている。そして体験者の多くが、自分では知り得ない道に導い

てくれた人物に恐怖を感じることはなく、“守護者”と思っている点も同じだ。

 

ところで、この世で同じように九死に一生を得た人の中には、サードマンなど

現れなかった人も多く、この違いは一体どこから来るのだろう。

 

著者はサードマン現象を科学的な視点で解き明かそうとしており、様々な分野

の研究結果を取り上げている。

科学者の場合は、この現象を脳機能の異常つまり幻覚や妄想だと断言している

が、複数の人に同時に起きたケースの場合はどういう説明になるのだろう。

 

この手の話の検証結果に“絶対”は無いと思うのだが、脳科学や宗教・精神医学

など、どの分野の人も確信的な言い方をしている。

日本にもサードマン体験を真面目に語っている人達がいるので、彼らの話をまと

めたものが有ったら、是非そちらも読んでみたい。