ほたるBBの 絵と 本と 雑感日記

60代後半に再開したお絵描きと、読書の備忘録。考えさせられたことなども綴ります。

読書感想『〈眠り〉をめぐるミステリー』(櫻井武)

[内容] 睡眠中の脳や身体には何が起こっているのかを、医学的に分かり易く解説。 副題『睡眠の不思議から脳を読み解く』 [感想] 睡眠は脳全体ではなく一部分で起きており、睡眠が進化の過程で無くなること はないと考えられているとか。 このような考察…

読書感想〈漫画〉『月影の御母』『おじさまと猫』

★月影の御母 (近藤ようこ) [内容] 今は昔、母を探して旅する少年と、母親を騙って次々と現れる妖怪達の不思 議な物語。 [感想] 子供を守ろうとする母親の深い愛と、母性の中にあるエゴや醜さが描かれて いる。 旅の途中で記憶を無くしてしまった蓮王丸は…

読書感想『今日会社が倒産した』(増田明利)

[内容] 会社員や自営業者へのインタビューによる、会社倒産のドキュメンタリー。 [感想] 「まさかうちが潰れるなんて」…本当に誰にでもどの会社にも起こり得ること で、かつて山一證券が倒産した時は日本中が驚いたのを思い出した。 本書に登場するのは…

読書感想『無邪気な日本人よ、白昼夢から目覚めよ』     (川口マーン恵美)

[内容] 多くのデータを元に日本の現状を解説しながら、日本には今、内外から様々な 危険が迫っていると警告し、解決策を提示している。 [感想] 著者はドイツ在住の音楽家、作家。 “無邪気な日本人よ”の呼びかけに表れているように、このまま手をこまぬい…

読書感想『雪の下の炎』(パルデン・ギャツォ)

[内容] 1950年チベットに軍事侵攻した中国政府に逮捕され、“思想改造”の為に33年 もの間、獄中で飢えと強制労働、拷問に耐え抜いた僧侶の自伝。 [感想] 著者が中国政府に逮捕されたのは1959年28才の時で、「スパイ容疑をかけられ た師を告発せよ」という…

読書感想『おばあちゃんは、ぼくが介護します。』(奥村シンゴ)

[内容] 一人で祖母の介護を担うことになった、30代前半独身男性の介護奮闘記。 副題『アラサー男性、とことん在宅介護で学んだこと』 [感想] 著者は放送・通信業界で営業職をしていたが、介護生活になってからはwebで の情報発信を皮切りに、ライターと…

読書感想『ひきこもりの真実』(林恭子)

[内容] 全国で「ひきこもり女子会」を主催する著者が、女性の引きこもりの実態と自身 の引きこもり体験を綴っている。副題『就労より自立より大切なこと』 [感想] 著者は高2で不登校になり、30代まで断続的に引きこもり生活を続けていたが、 2012年から…

読書感想『私たちの仲間』(アリス・ドムラット・ドレガー)

[内容] 結合双生児の分離手術について、多くの実例を元に人々の考え方の違いや、差別、 医療裁判など様々な歴史を学び分析していくことで、正常とは何か、医療や福祉 はどうあるべきかを深く掘り下げている。副題『結合双生児と多様な身体の未来』 [感想…

読書感想『餓死現場で生きる』(石井光太)

[内容] 世界のスラム街で生きる人達の実態に迫ったルポルタージュ。主に子供達の 現状について書かれている。 [感想] 著者は作家・ルポライター。多数の著書があり、幾つもの賞を受賞している。 本書では絶対貧困当事者の生活や思いが綴られており、彼ら…

読書感想『すべての犬に里親を!』(今西乃子)

[内容] 阪神・淡路大震災の時に、被災したペットの救済に尽力した人々の記録。 副題『阪神・淡路大震災1556頭の物語』 [感想] 日本は動物後進国と言われるが、それは何故か。 欧米などの先進国に比べ、動物の扱いや法律があまりにもお粗末だからだ。 そ…

読書感想『弱者の戦略』(稲垣栄洋)

[内容] 立場の弱い生物・植物は、厳しい環境の中でどのように生き延びて来たのか。 その様々な生態が解説されている。副題『生物界のおきてに学べ』 [感想] 著者は雑草生態学が専門の農学博士で、静岡大学大学院教授 地球に危機が起きる度に命をつないだ…

読書感想『老後親子破産』(NHKスペシャル取材班)

[内容] 親子共倒れの老後破産を取り扱ったNHKのスペシャル番組を書籍化。 [感想] 年金をもらいながら安泰に暮らせる筈だった老人が、何故子供との同居で共倒れ になってしまうのか。 親の介護の為に退職や転職をする人は、年間10万人にも達するそうで、…

読書感想〈漫画〉『星守る犬』                〈写真集〉『人形‐この命あるもの』

★『星守る犬』(村上たかし) [内容] 車上生活をしながら、故郷に向かってひたすら車を走らせる男性と、飼犬ハッピー の物語。全2巻の大ヒット作。西田敏行の主演で映画化されている。 [感想] 林道脇の放置車両から、死後1年の男性と死後3カ月の犬の白骨体…

(読書感想)『ウクライナ戦争と米中対立』峯村健司

[内容] 著者と5人の有識者による対談集で、ロシアのウクライナ侵攻と中国による 台湾有事を中心に解説。 『副題』帝国主義に逆襲される世界 [感想] 著者はジャーナリストで、青山学院大学客員教授、日本防衛学会会員。 専門家達による情報と未来予測を読…

(読書感想)『障害児3兄弟と父さんと母さんの幸せな20年』  佐々木志穂美

[内容] 障害を持って生まれた息子達の成長と、葛藤の日々を綴ったエッセイ。 [感想] 冒頭に、父親から1歳の長男に宛てた8頁にわたる手紙がある。そこからは 子供が当たり前に持つ機能と可能性を、医者から一つ一つ否定されていった時 のショックがヒシ…

読書感想 『ある明治人の記録』 (石光真人編著)

[内容] 明治維新の時に会津藩士たちが受けた、想像を絶する辛苦が綴られている。 副題は『会津人柴五郎の遺書』 [感想] 柴五郎は1859年に会津藩士の5男として生まれ、逆境の中大変な努力を重ねて 陸軍大将にまでなった人物(87歳没)。 本書は第一部『柴五郎の…

読書感想『世界史を変えたパンデミック』(小長谷正明)

[内容] 歴史的なパンデミックの実態と終息迄の経緯、及び解決に尽力した人々の話。 [感想] 著者は医学博士。 人類は原始から疫病との戦いを繰り返してきた。そのおびただしい犠牲者の数 を見ると、著者が言うように、今回の新型コロナウィルスの悪性度は…

読書感想『すべては導かれている』田坂広志

[内容] 人の心の奥底にある叡智を引き出すための考え方と実践方法を、著者の体験を 基に解説。副題『逆境を越え、人生を拓く五つの覚悟』 [感想] 著者は多摩大学大学院名誉教授。経営学者。 以下に、副題にある“五つの覚悟”と本書の主題をまとめてみた。…

読書感想『黙って行かせて』(ヘルガ・シュナイダー)

[内容] アウシュビッツの看守だった母親と30年ぶりに再会した娘が、母親の本音を 聞いた時の思いを綴ったノンフィクション。 [感想] 1941年第二次世界大戦中、ヘルガの母親はナチスにのめりこみ、夫と幼い子供 2人を捨ててアウシュビッツの看守となった…

読書感想 『内モンゴル紛争』(楊海英)

[内容] 中国によるモンゴル弾圧・紛争・言語同化政策は、どのようにして起きたの かを、民族地政学の視点から解説。 副題は『危機の民族地政学』 [感想] 著者は内モンゴル出身で、現在は静岡大学教授。 中国によるモンゴル弾圧は、新疆ウイグルやチベッ…

読書感想『健康格差』(NHKスペシャル取材班)

[内容] 健康格差が生じる原因と、それを解消する為の様々な方法と国内外の取組み を紹介している。 副題は『あなたの寿命は社会が決める』 [感想] 本書はNHKで放送された番組の内容を中心に、取材を加えて執筆されたも ので、人が病気にかかる確率や寿命…

読書感想『君は嘘つきだから、小説家にでもなればいい』       (浅田次郎)

[内容] 単行本未収録のものを中心に編集されたエッセイ集。 [感想] 著者の作品は幅が広く、どの分野にもヒット作があり受賞も多数。 日本ペンクラブ会長他、幾つかの文学賞の選考委員を歴任しているが、遅咲き の作家で「デビューまで30年近くも売れぬ物…

読書感想〈漫画〉『「死ぬくらいなら会社辞めれば」ができない理由』 『戦争めし』

★『「死ぬくらいなら会社辞めれば」ができない理由(ワケ)』 (汐街コナ、ゆうきゆう) [内容] 汐街氏が過労自殺しかけた時の経験を描いた漫画が書籍化されたもの。 [感想] 著者はプロのイラストレーターだが、この本に登場する人物は皆、まるで幼児 のいた…

読書感想『刑務所のタブー』(窪田順生 他)

[内容] 元受刑者・検事・刑務官・教誨師などによって、犯罪及び刑務所の実態が語ら れている。 [感想] 記事の殆どが受刑者の顔写真付きで、有名事件ばかりを扱っている。下記は その一部で、どれも興味深い内容だった。 ◎新潟少女9年2カ月監禁事件 (佐藤…

読書感想『映画を早送りで観る人たち』(稲田豊史) 

[内容] 主にZ世代の若者へのインタビューを通して、彼らが映画や映像を早送りで観 る理由と、その背景を様々な角度から考察。 [感想] 若者の多くは、映像の倍速視聴・10秒飛ばしが習慣化しており、ネタバレ・レ ビューを読んでから観る人も多い。その理…

読書感想『暴政:20世紀の歴史に学ぶ20のレッスン』     (ティモシー・スナイダー)

[内容] 世界大戦前後に台頭した独裁政治国家の歴史に学び、政治の暴走をどのように 阻止すべきかを解説。 [感想] 著者はイエール大学の教授で歴史家。本書はトランプ氏の大統領就任に危機感 を抱いて緊急に出版されたものだそう。 ナチス・ドイツとソビ…

『子どもの貧困連鎖』(保坂渉、池谷孝司)

[内容] 日本の子供の6人に1人が、相対的貧困状態にあるという。本書はその実態を 調査・分析したノンフィクション。 [感想] 極貧家庭の子供は人生のスタート時点で、既に可能性の門戸を閉ざされている ことが多いと言われる。本書に登場する多くの事例と…

読書感想『告発・現代の人身売買』(デイヴィッド・バットストーン)

[内容] 世界中に存在する、強制労働に従事させられている人々の実態に迫るルポ。 副題『奴隷にされる女性と子ども』 [感想] この地球上で最悪の労働形態に囚われている人は、数千万人にも上るという。 本書で扱うのは主に「性産業」「債務労働者」「子供…

読書感想『日本を捨てた男たち』(水谷竹秀)

[内容] フィリピンで、ホームレス同然となって生きる男性達のルポルタージュ。 副題『フィリピンに生きる「困窮邦人」』開高健ノンフィクション賞受賞 [感想] 本書に登場するのは、日本のパブで働いていた女性をフィリピンまで追いか けていった人、暴力…

読書感想『癌にかかった医者の選択』(竹中文良)

[内容] 末期癌にかかった人達の最後の選択と、癌患者及び彼らを看取った人達の 心情が綴られている。副題『残りのいのちは自分で決める』 [感想] 人生の最後の時、殆どの人が病院のお世話になる。その時は主治医に全幅の 信頼を置きながらも、患者として…