[内容]
コンビニ経営の過酷な実態と、客とのエピソードが日記風に綴られている。
[感想]
著者は脱サラでコンビニ経営を始めた人で、全般に明るい調子で書かれてい
るが、結構酷い話が多い。驚くのが何と言っても本部との関係で、これでは
コンビニオーナーは経営者ではなく従業員。儲けも殆ど本部に持ってかれる
仕組みで、フランチャイズの宿命とはいえ、相当売上を上げなければ黒字に
するのは難しそうだ。
コンビニの仕入値は相場より高く、本部が一括処理していて、請求書も領収書も
見せてもらえない。他にも色々あって特殊会計。
コンビニの食品に廃棄が多いのは、消費期限より早く“販売期限”を設定してい
るためで、しかもこの廃棄が、本部の利益を増やすカラクリに一役買っている。
「毎日廃棄弁当食べてます」は大げさな話ではなく、加盟店オーナー達はノルマ
達成の為に商品を買わされ、廃棄物を“自爆”させられているという現実。
本書を読むと、本部にとってはオーナーこそが一番の客…と巷で言われる意味
がよく分かる。コンビニ経営は、家族も又長時間店に縛られているのが特徴だ。
コンビニ地獄という言葉は以前からあったが、最近は更に、コンビニオーナーの
家庭崩壊、自己破産、自殺などの記事をよく目にするようになった。
うちの近所でも、この何年かで数軒のコンビニが閉店しており、本部はこの実態
をどう受け止めているのだろう。
昨年大阪の元店主がセブン-イレブンを強く批判。双方が損害賠償を求めて訴訟
を起こしており、審理は始まったばかりだが注目されている。