私が小4の時のこと。同級生の女子(Aちゃん)が転校することになり、お別れの
挨拶をするために教壇の前に立った。しかし彼女は泣きじゃくっていて、最後ま
で言葉を発することは無かった。
担任からの説明は無かったが、私達生徒は皆、彼女のお母さんが自殺したことを
知っていた。自分の両親のお墓の前での、服毒自殺だったという。
優しそうな人だったけど、あんなに泣いてるAちゃんを残して死ぬほど辛い事っ
て何だったんだろう…と、子供達にもショックな出来事だった。
「自殺者は永遠に成仏できない」「自殺者は地獄に落ちる」と言う人達がいるが、
本来、仏教にそんな教えは無いと聞いた。しかもこの言葉には、自殺を思いとど
まらせる効果よりも、残された者を更なる苦しみに突き落とす罪深さがある。
以前知人から「私の父親は自殺してるの。」と打ち明けられたことがある。
父親の死因を人に話せるようになったのは、亡くなって10年が過ぎてからだっ
たという。彼女の話を聞くと、残された人の多くは喪失感と共に自分を責め続け
るという点も共通しているようだ。
2023年の日本の自殺者数は約2万人強と発表されているが、実は変死扱いの遺
体の中には、かなりの数の自殺者が含まれているのではないかと言われている。
健康な心でいる時なら、「死ねば解決する、逃れられる、無になる。」などと思
っても、すぐにそんなわけは無いことに気付く。しかしそれが分からず自殺して
しまうということは、心が疲弊して病の域に入ってしまっているからだろう。
昔から「人生は一度きり。悔いの無いよう生きなさい。」と言われる。
死んだら無…と考える人なら、人生は一度きりと思うのは当然だろう。しかし実
は、死後の世界や生まれ変わりを信じている私も、「今生は一度きり」という意
味で、同じことを思っている。
何故なら、個々の魂の本質は死んでも変わらず、今生での間違いや未熟な行いは、
今生のうちに気付いて悔い改めなければ来世でも繰り返す可能性があり、ある意
味それはとても怖いことだから。
では、もし大切な人が自死を選んだ時、残された人はどうしたら良いのか。私は
「毎日その人に、心から愛する気持ちを伝えるのが一番の供養になる(救われる)。」
という言葉を信じて祈り続けてほしい、とそう思っている。