ほたるBBの 絵と 本と 雑感日記

60代後半に再開したお絵描きと、読書の備忘録。考えさせられたことなども綴ります。

ネット検索が怖い (神田知宏) ポプラ社

[内容]

インターネットによるプライバシー侵害・風評被害・誹謗中傷などの対策方法。

[感想]

著者は2014年にグーグルから、検索結果の削除仮処分決定を勝ち取った

弁護士で、削除に関わることや裁判に関して詳しく書かれている。

 

ネットへの書き込みで苦しむ人が急増している。

国内外の様々な被害を読んで、想像以上の深刻さに驚いたが、その窮地を

“忘れられる権利”が救うという。

 

本書では、具体的事例を挙げながら削除依頼の実際を解説。弁護士費用が

結構高くて驚くが、賠償費用はもっと高くなると覚悟した方が良いとか。

 

ブログなどに子供の写真をアップする人は多いが、彼らは“晒されチルドレン”

と言われ、悪用されたり子供が傷つくことがあるので要注意だそうだ。結果的

に親自身も無自覚な加害者になってしまうなんて、何ともやるせない話だ。

 

有名人の合成写真が時々問題になるが、一般人のプライベートな画像が無断

で合成されることも珍しくないそうで、非難されてから慌てても遅い。

 

GPS機能が搭載されている機器で撮影して、そこから住まいを特定されて事件

になるのは、私も報道で何回か見てきた。 居場所を特定されないようにする

ことが大事と言うが、普通はなかなかそこまで思い至らない。

 

投稿サイトには、投稿者自身で削除する機能の無いものもあるとか。軽い気持

ちで人を傷つけるような投稿をして、その後削除しようと思っても拡散されてし

まっていたら、どうにも出来ない。一度被害者になると、救済は困難だという。

 

総務省で今年、訴訟手続きの簡略化や裁判の迅速化などが検討されていたが、

もうすぐ新たな裁判手続きが設置されるそうで、処分を求める人が増えそうだ。