ほたるBBの 絵と 本と 雑感日記

60代後半に再開したお絵描きと、読書の備忘録。考えさせられたことなども綴ります。

読書感想〈漫画〉『月影の御母』『おじさまと猫』

           ★月影の御母 (近藤ようこ)

 

[内容]

今は昔、母を探して旅する少年と、母親を騙って次々と現れる妖怪達の不思

議な物語。

[感想]

子供を守ろうとする母親の深い愛と、母性の中にあるエゴや醜さが描かれて

いる。

 

旅の途中で記憶を無くしてしまった蓮王丸は、途中で出会った不思議な子猿

を連れて母を探す旅に出る。しかし母親に化けた“物の怪”達に何度も騙され

て、少しずつ疑心暗鬼になっていく。

 

全部で6話あり、唯一蓮王丸に害を与えなかった“竹の女人”が印象的。

 

             

           ★おじさまと猫  (桜井海)

 

[内容]

ペットショップで売れ残っていた猫と、飼い主となった男性の心温まる物語。

[感想]

可愛い子犬や子猫が次々と売れていく中で、「どうせ私みたいな不細工、誰も欲

しがらないさ。」と突っ張っていた一匹の成猫。

 

ある日ふいに初老の男性に抱き上げられ、その人が店員さんに「私が欲しくなっ

たのです。」と告げた途端、猫の目からみるみる涙があふれ出る。

 

多くの猫好きと同じように、私もこの出だしにノックアウトされたクチだ(笑)。

男性は一人暮らしだが猫への心配りが素晴らしく、「有難う」と言いたくなるほど

温かくて誠実な人柄。

 

X(旧ツイッター)でブレイクした漫画で、テレビでドラマ化もされている。