ほたるBBの 絵と 本と 雑感日記

60代後半に再開したお絵描きと、読書の備忘録。考えさせられたことなども綴ります。

読書感想〈漫画〉『星守る犬』                〈写真集〉『人形‐この命あるもの』

           ★『星守る犬』(村上たかし)

 

[内容]

車上生活をしながら、故郷に向かってひたすら車を走らせる男性と、飼犬ハッピー

の物語。全2巻の大ヒット作。西田敏行の主演で映画化されている。

[感想]

林道脇の放置車両から、死後1年の男性と死後3カ月の犬の白骨体が発見された。

物語はこんな出だしで始まり、1巻目はずっとハッピーの目線で描かれている。

 

発病と無職になったのを理由に離婚されたお父さんは、「お前をノラにしない為に

行くんだぞ。」と言って、故郷に向かう車にハッピーを乗せた。

 

お父さんは旅の途中で、万引きをした放置子を助けたり、ハッピーが死にそうに

なった時は有り金をはたいて手術を受けさせるなど、心優しい人だ。

 

そんな男性の孤独死は読んでいて切なかったが、山中に1匹で残されたハッピー

はもっと哀れ。お父さんは途中で、新しい飼主を探してあげることは出来なかっ

たのだろうか。

 

2巻目は1巻目で出会った放置子のその後や、人嫌いのお婆さんと死にそうな子犬

との出会いの物語がメインで、ホロリとする温かい内容。

 

 

       〈写真集〉『川本喜八郎 人形‐この命あるもの』

 

[内容]

三国志をはじめとする、川本喜八郎人形アニメーション作品集。

[感想]

大きさはA4判。紙質が良い上に殆どがカラーなので迫力があり、解説も面白い。

 

川本氏の人形アニメーションは秀作ばかりで、特に『死者の書』はお勧め。

 

 “川本喜八郎人形美術館”(長野県)の入り口正面には、諸葛孔明の人形が飾られ

ているのだが、実物の迫力と品格は写真の比ではなく、人形の好きな人にはこち

らもお勧めだ。