[内容]
車上生活をしながら、故郷に向かってひたすら車を走らせる男性と、飼犬ハッピー
の物語。全2巻の大ヒット作。西田敏行の主演で映画化されている。
[感想]
林道脇の放置車両から、死後1年の男性と死後3カ月の犬の白骨体が発見された。
物語はこんな出だしで始まり、1巻目はずっとハッピーの目線で描かれている。
発病と無職になったのを理由に離婚されたお父さんは、「お前をノラにしない為に
行くんだぞ。」と言って、故郷に向かう車にハッピーを乗せた。
お父さんは旅の途中で、万引きをした放置子を助けたり、ハッピーが死にそうに
なった時は有り金をはたいて手術を受けさせるなど、心優しい人だ。
そんな男性の孤独死は読んでいて切なかったが、山中に1匹で残されたハッピー
はもっと哀れ。お父さんは途中で、新しい飼主を探してあげることは出来なかっ
たのだろうか。
2巻目は1巻目で出会った放置子のその後や、人嫌いのお婆さんと死にそうな子犬
との出会いの物語がメインで、ホロリとする温かい内容。
★〈写真集〉『川本喜八郎 人形‐この命あるもの』
[内容]
三国志をはじめとする、川本喜八郎の人形アニメーション作品集。
[感想]
大きさはA4判。紙質が良い上に殆どがカラーなので迫力があり、解説も面白い。
川本氏の人形アニメーションは秀作ばかりで、特に『死者の書』はお勧め。
“川本喜八郎人形美術館”(長野県)の入り口正面には、諸葛孔明の人形が飾られ
ているのだが、実物の迫力と品格は写真の比ではなく、人形の好きな人にはこち
らもお勧めだ。