ほたるBBの 絵と 本と 雑感日記

60代後半に再開したお絵描きと、読書の備忘録。考えさせられたことなども綴ります。

読書感想『2025年を制覇する破壊的企業』(山本康正)

[内容]

GAFA他最先端の11社を分析して5年後の未来を予測し、生き残りの術を教示。

[感想]

著者は米金融機関とグーグルを経て、現在はベンチャーキャピタリストとして活躍。

 

『はじめに』で、未来の生活が小説風に描かれているのだが、自分もその場に居る

気持ちで読んでみたら、これが意外と面白かった。

「言葉の違う互いの会話が瞬時に翻訳され、音声として聞くことが出来る。」

「タクシーは自動運転・自動精算」 「勉強はAIが生徒に適した指導」等々。

中でも私は、「味も触感も本物と同じ大豆の代替肉が浸透」に期待したい。

 

下記は各社の今後を予測した一部だ。

・グーグル…検索不要の、より個人の嗜好にあったサービスを提供。

・アマゾン…アレクサの機能が屋外に進出。金融事業を一般にも展開。

・アップル…人の五感すべてを占拠したデバイス。金融事業を拡大。  

 

何年か前にネットフリックスが、視聴者がストーリー展開を選べる番組の配信を始

めたが、これも更に強化されるだろうと予測。この会社は様々な案件を抱えている

ようでそれが気になるが、私はまだ利用したことが無いので一度試してみたい。

 

11社の他にも広い分野での解説が続き、其々の企業が何に力を入れ、どんな風に

しのぎを削って来たのかを読むと、正に弱肉強食の世界であることがよく分かる。

以下に、その中に書かれていた予測の幾つかを抜粋。

 

・証券の売買手数料ゼロが当たり前になる。

楽天などのECサイトから脱却し、自社のサイトを立ち上げる企業が更に増える。

・本業を限定して、その事業にばかり固執している企業は足をすくわれる。

・電子決済が当たり前になりつつあり、未来ではGAFAがカード・金融会社を飲

み込んでいるかもしれない。

 

その他、“激変すると予測される8業種”“これから起こる3つのメガトレンド”など、

興味深い解説が続く。ちなみに著者は、中国のIT企業が海外ビジネスでGAFAを抜

くことは厳しいと見ている。

 

最後に、著者が“未来を生き抜くためのスキル”として挙げたものを5つ。

・ビジネスモデルが読める ・プログラミング ・データサイエンス 

ファイナンス ・英語 

 

今年は既に2024年。本書の予測は著者も書いているように、実現には何十年か

のズレがあるかも知れないが、若い人が将来を考える大きな参考になりそうだ。