[内容]
地球上の動植物が置かれている状況の解説と、全ての生き物が共存共栄する
世界を実現し、人として魂を成長させるためには何をすべきかを教示。
副題『人の霊性進化を助ける動物たち』
[感想]
著者は獣医で、クリヤヨギ(ヨガ)。
本書は、感動的なエピソード、興味深い話、知っておくべきこと等、考えさせ
られることの多い良書で、出来れば直接手に取って読んでほしいと思う。
ただ、読むには“覚悟”が必要かもしれない。動物の可哀そうな話についてはある
程度知っているつもりの私でも、人間の身勝手さに胸が張り裂けそうな気持ちに
なった話が幾つかあったので…。(この感想文にその内容は書いていません。)
本書は次の5つに分けられ、其々動植物の様々なエピソードが紹介されている。
・繋がりあう命 … 「『ゾウに囁く人』の死と弔問客たち」 他
・沈黙を守る命たち … 「ライオン狩りのための繁殖」 他
・命をいただくということ … 「豚さん編」 他
・自然界に心を寄せる … 「薬草と話す動物たち」 他
・拡がる光、霊性進化への道 …「命をかけてゴリラを守る人たち」 他
著者のブログ『ひかたま(光の魂たち)』を読むと、幾つかの不思議な体験をして
いる人のようで、仏教の視点からの話も多い。
以下に、本書から示唆に富む言葉を3つ抜粋。
「現実を知ったら、今起きてることに対して漠然としたことや理想ばかりを考える
のではなく、まずは今の自分ができることを確実に行うことが最も大切です。」
「すべてのものに対する愛、思いやり、奉仕、寛容などの霊的美徳は、輪廻を超え
て持ち越せる魂の財産となります。」
「人が霊性を高め、普遍意識に到達したいのであれば、その前提として『全ての
生物に敬意を払い、慈しむ心を育み、大切にすること』は絶対条件なのです。」
ちなみに獣医は皆、著者のようにどんな命も差別しないかというと、そんなことは
無く、実際私も「当院はノラ猫の診療はしません。」と断られたことがあるので、本
書はそういう意味でも驚きの連続だった。