「内容」
大学を除籍になった学生が、急速に社会の底辺に滑り落ちて行く様が描かれ
ている。 (2014年 製作国 日本)
「感想」
修は21歳の大学生。ある日突然、授業料の未納により大学から除籍されてい
たことを知る。
学生課に確認に行くと、父親には警告の連絡をしていたが、「息子には絶対
知らせてくれるな。」と口止めをされていたという。
驚いた修は急ぎ故郷の自宅に帰るが、両親は自営業に失敗して失踪していた。
やむなく東京に戻るが、家賃滞納ですぐにアパートを追い出され、
それから何日かは簡単なアルバイトで日銭を稼ぐが、どれも長続きせず、お金も
底をついて どんどん追い詰められていく。
ネットカフェ難民、留置所、ホスト稼業と裏社会、建築現場で住み込みの日雇い等、
一般市民にはあまり縁の無い社会模様が展開され、最後はとうとうホームレスに。
それにしても、 親の失踪や大学の除籍には大きく同情するが、その後の行動が
甘ちゃん過ぎて、修の場合転落の半分は自ら招いたとも言える。
治験のアルバイトのシーンでは、子供の頃ニュース映画で見た、売血で生活をして
いる失業者達の行列を思い出した。治験は“有償ボランティア”と言われるが、破格
の報酬の為に並ぶ若者達の姿に、リアル社会でも同じなのだろうかと胸が痛んだ。
困窮しても頼る人は無く、セーフティネットからもはじかれた人達の人生の厳しさ
をヒシヒシと感じさせる ある意味怖い映画でもあったが、修が悪の道に落ちるこ
となく希望の持てるラストになっていたので良かった。
(良作だがR15+なので注意)