[内容]
アフリカの紛争・環境破壊・貧困の歴史と実態を解明。
[感想]
著者はフリーランス国際協力師。主にYouTubeで活動報告をしている。
本書ではコンゴを中心に、アフリカへの支援の在り方と先進国の暮らしが与える影
響について深掘りしている。
アフリカの国の多くは16~19世紀半ばは奴隷貿易によって、19~20世紀半ば迄は植
民地として、西洋諸国に資源他諸々を搾取されてきた。
アフリカでは搾取され続ける経済体制からの脱却を目指した取り組みが行われきて
おり、1980年にはアフリカ統一機構により「ラゴス行動計画」が採択された。
しかしこの計画はその後、世界銀行や国際通貨基金などが主導したプログラム「先
進国が援助をしてあげる代わりに経済政策の指導を受けよ。」(意訳)によって頓挫。
これにより、アフリカは今迄以上に先進国に依存しなければならなくなったという。
(先進国の便利な生活は誰かの犠牲の上に成り立っている)
スマホを始め様々な電子機器などの為に、アフリカで採掘される鉱物類。
豊富な天然資源の存在が先進国からの介入や、過重労働、児童労働、現地の争いを
引き起こしている側面がある。
(善意による古着の寄付とアフリカへの大量廃棄)
「先進国で行き場を失った古着の多くが、最終処分場となったアフリカで埋め立て
処分されている。また善意による古着の寄付が依存を生み出し、アフリカの地元
産業を破壊したり、成長を妨げたりしている。」
日本の場合、1年間に供給される新しい衣服の量は約38億点。その中で新品のまま
廃棄されているのは年間10億着以上だというから驚きだ。
(肉食が世界にもたらしている不都合な真実)
「裕福な人達が肉を消費すれば消費するほど、畜産業に対するニーズは高まり-(略)
人間ではなく家畜が食べるための穀物生産が優先されてしまい、飢餓や食料問題
が一向に解決しない。」 (世界の農地の約8割は家畜の飼料用)
「世界全体では毎年約13億トンの食料がまだ食べられる状態で廃棄されており、こ
れは食料生産量の3分の1に当たる。」
著者はこれらに照らして「基本的には動物性の食事の摂取を控えるが、状況に応じ
て時々は食べる」という、いわゆる “フレキシタリアン”の食生活を推奨。
(アフリカ人は貧しいのに何故沢山子供を産むのか)
アフリカの中でも子沢山は貧困層が殆どで、彼らは貧しいのに沢山子供を産むので
はなく、貧しいから沢山産むのだという。以下はその主な理由。
・子供はある程度まで成長すれば立派な労働力になる。
・しかし子供の何人かは小さいうちに亡くなってしまう。
・避妊具についての知識不足と費用の問題。
・男性優位の価値観が根強く少子の女性は社会的に認められない。
本書では、紛争時の集団レイプに関して驚くような実態が明かされており、その他
アフリカの絶対的貧困と日本の相対的貧困についても詳しく述べられている。
著者は寄付が悪いと言っているわけではなく、次のように繰り返し訴える。
「本当にあるべき寄付や援助というのは、現地の人達の周りの環境を整え、彼らが
本来持っている力を十分に発揮し、未来を切り拓くための可能性を取り戻せるよ
うに手助けをすることではないでしょうか。」
「私達の“便利さや贅沢”を求める心と、大量生産・大量廃棄が多くの矛盾と犠牲を
生み出しているのです。」