5年に1度の年金制度改正で、今回は主婦年金の改正又は廃止の可能性があると
言われていたが、見送りが決定した。理由は、直ちに廃止すると不利益を被る人
が多いからというもの。
主婦年金とはご存じのように、国民年金の「第3号被保険者制度」のことで、厚
生年金加入者の配偶者は保険料を支払わなくても基礎年金を受け取れる…という
もの。専業主婦の他に、原則として年収が130万円未満のアルバイトやパートが
該当する。
主婦年金は1985年に創設されたが、年々この制度に反発する声が大きくなってい
る。その主な理由は以下の2つで、公平性に欠けているというもの。
・自営業者の配偶者は、収入に関係なく自分で社会保険料を負担している。
・主婦年金の保険料は集められた掛け金の中から出ているため、結果的に独身
の会社員・共働き世帯も負担していることになる。
つまり、年金は自分で保険料を負担した人だけが受け取るべき…ということだ。
廃止案の見送り決定前12/9日のヤフーニュースに、「連合(日本労働組合総連合会)
が第3号被保険者制度の廃止を求める方針を決定した。」という記事が載った。
その中で会長は、先に書いた理由以外に以下のことも問題にしていた。
・3号被保険者の半数以上が“専業主婦”ではなく、パートなどの労働者という実
態があり、年収の壁を超えないように仕事量を調整することが人材不足に拍車
をかけている。
・女性のキャリア形成を妨げる。
会長はやみくもに廃止せよと言っているわけではなく、以下の提案もしている。
「当面3号の制度にとどまれるなど、10年ほどの経過措置を設けるべきだと考え
ています。過去に3号だった人の年金は減額しない-(略)-育児や介護といった課
題は、3号以外でセーフティーネットをつくるべきだと思うし、制度は一人ひと
りに中立であるべきです。」
3号の年金制度が廃止された場合、年金保険料として1年間に約20万円の負担が
発生するという。ちなみに国の言う、主婦年金を廃止すると不利益を被る人とは、
“ 育児や介護などの家庭環境や、健康面の事情により働けない人”などのこと。
しかし自営業者の伴侶の中にもそういう人は大勢いるので、この回答に納得して
いる人はあまりいないようだ。
昨年末、給与所得者に所得税が発生する境目となる年収、いわゆる“103万円の壁”
が2025年度から123万円に引き上げられるという発表があった。
遺族年金も変わろうとしている。果たして5年後に主婦年金は変わるのか、多く
の国民が注視している。