ほたるBBの 絵と 本と 雑感日記

60代後半に再開したお絵描きと、読書の備忘録。考えさせられたことなども綴ります。

貧富の差が拡大している

 (元)夫の大学時代からの友人だったアメリカ人留学生は気さくな人で、私達の

結婚式に出席しその後社宅には母親を、私達が家を買った時には妹さんを連れ

て遊びに来てくれた。

 

実家がお金持ちなのは知っていたが、彼が別荘のそばのプライベートビーチで

寛ぐ写真を見た時は、こんなにも私達と違うんだ…と驚いたのを憶えている。

 

しかし世界にはイーロン・マスクのウン十兆円を始め、桁違いの資産を持つ人

達がいて「世界の上位1%の超富裕層が、世界全体の個人資産の約37%を独占。

下位50%の資産は全体のわずか2%にすぎない。」というから驚きだ。

 

フォーブスの2023年長者番付発表によると、日本の資産額1位はユニクロ

柳井氏で、資産額は約4兆9700億円。5位までは前年と同じ顔触れで、やは

り額は兆単位である。

 

又、日本には現在、資産(不動産含)1億超の富裕層は300万人以上いるそうで、

その内149万世帯は、純金融資産だけで1億円を超えるという。

 

景気の良い人達の話が続いたが、日本は先進国の中ではジニ係数が高い方で、

貧富の差の拡大が深刻化していると言われる。

※ ジニ係数 = 所得の格差を示す代表的な指標。

 

日本の相対的貧困は、特に高齢者世帯や一人親世帯に多く、2021年の貧困率

15.4%。その中で子どもの貧困率は、2023年7月で11.5%だ。

 

現在日本国内で運営されている子供食堂は7000ヵ所以上あるそうだが、運営者

は殆どがボランティアで財政は厳しく、つい先日もテレビのローカルニュースで

食品と物資の支援を呼び掛けるのを見たばかりだ。

 

子供の貧困に比べ、意外と理解されていないのが若者の貧困だという。

昔から若者がお金を持っていないのは当たり前で、それが却って頑張る原動力に

なったりしたものだが、昔と今では状況が違う。

 

若者の貧困の原因は様々で、これに対して努力しなかった本人が悪いという自己

責任論が根強くあり、確かに中にはそんな人もいるだろう。

しかし非正規雇用が増加した影響は大きく、正社員とはキッチリ区別された彼

らは、賃金が安い上に何かあれば真っ先にクビを切られる不安定な身分だ。

昨今は奨学金の返済で苦しむ若者も多く、女性の状況は更に厳しいとか。

 

親と同居する中年未婚者が増加している。統計の内訳を見ると低所得や無職の人

の割合が高く(女性は親の介護で退職した人も多い)、同居によって生活は出来て

いるが、老後の為の預貯金を持たない人が多いという。

 

彼らの約6割は国民年金だけなので、今は良くても老後の困窮が心配されている。

問題は同じ会社で働いていても、短時間労働者という理由で厚生年金を適用され

てこなかったことだ。

 

しかし平成16年頃から政府の方針で、短時間労働者に対する厚生年金の適用対象

の拡大が、段階的に進められてきているそうだ。

ただ厚生年金が適用されると、元々少ない手取り賃金が更に下がるという新たな

問題が生じる。そんな中で非正規との格差是正に取り組む企業も増えてきている

そうで、それが社会全体に広がることを期待したい。