ほたるBBの 絵と 本と 雑感日記

60代後半に再開したお絵描きと、読書の備忘録。考えさせられたことなども綴ります。

障害者への差別といじめ

 

 中2のある日、小6の妹が自宅に連れてきたクラスメイトの中に、たまに

近所で見かける知的障害のある女の子がいた。

 

学校には特別支援学級が無く、彼女も普通クラスで一緒に授業を受けていたが、

内容は全く理解できず、それでも授業中ずっとおとなしく座っているという。

 

 私は思いがけず我が家に居た彼女に、初対面ながら笑顔で「こんにちは」と声を

掛けたら、いきなり「あんたは友達じゃない!」と手加減なしで頬を引っ叩かれた。

全員呆気にとられたが、皆、すぐに気を取り直して又お喋りを再開。

 

 それから何年か後のこと。障害者への虐待に関する記事を読んで、ハッとした。

彼女は陰で苛められていて、私に、自分がされたことを真似しただけなのでは?

 

 戦後最悪の大量殺人事件と言われる “相模原障害者施設殺傷事件(2016年)”の

犯人は、「重度の知的障害者はいない方がいい。」と語っていたという。

 

 私の好きな漫画に『愛がゆく』(小山ゆう作。全12巻)というSFがある。

未来社会では人間は能力によって数値化され、数字の低い人間は無駄な存在と

して抹殺される。しかしその行きつく先は、人類の滅亡だった。

 

これほどスケールの大きな話じゃなくとも、利己主義者が結束した時、次に何が

起きるかは誰の目にも明らかだ。

 

 時期や程度の差はあれ、人は誰でもいずれ身体に何らかの障害を持つようになる。

つまり「障害者はいない方がいい。」と考えるのは、現在 要介護者としての生活

を送っている大勢の高齢者や、未来の自分にも唾を吐いているのと同じことだ。