ほたるBBの 絵と 本と 雑感日記

60代後半に再開したお絵描きと、読書の備忘録。考えさせられたことなども綴ります。

おにいちゃんのハナビ (主演)高良 健吾 

[内容]

実話を基に、花火に思いを託す白血病の妹と兄の絆を描いたヒューマンドラマ。

                       (2010年 製作国 日本)

[感想]

高校生の華が半年間の入院から家に戻ると、兄の太郎はひきこもりになっ

ていた。一家は太郎が中3の終わりに、白血病を発症した華の療養の為に

新潟のこの地に引っ越してきており、太郎はそれ以来友達を作れずにいた。

 

華は兄のひきこもりに責任を感じ、友達にも協力してもらって、あの手この手で

兄を外に引っ張り出そうと策を練る。病気で苦しい筈なのに、全くその素振りを

見せずひたすら明るく前向きに兄を励ます華。ともかく強引なのだが、太郎はそ

れに押されるように少しずつ外の世界に足を踏み出す。

 

この片貝町には、地元の人達がそれぞれの思いを込めて花火を奉納する

「片貝まつり」というのがあり、太郎は花火が大好きな華の勧めで、祭りのため

のグループ“成人会”に入会することになった。

 

ある日、再発した華が年を越せないことを知った太郎は、華を励ますために前か

ら欲しがっていた携帯電話をプレゼントする。しかし医者の予測通り華は亡くなり、

残された太郎は抜け殻のようになってしまった。

 

翌年の成人の日。亡くなった華から太郎に、動画付きのメールが届いた。それは

華が生前に予約していたもので「お兄ちゃんの花火、一緒に見れるといいな~。」

と語りかける妹を見て、太郎は華の為の打ち上げ花火を1人で作ろうと決心する。

 

そこからの太郎の頑張りと、兄妹の両親、太郎の同級生、華の友達、それぞれの

想いには私も胸を打たれ、ラストは涙なしには見られなかった。

片貝町の花火大会では、一つ一つ奉納者からのメッセージが読み上げられる中、

次々と花火が上がるのだが、これが、出来れば映画館の大きな画面で見たかった

ほど美しく、このシーンは必見だ。

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