ほたるBBの 絵と 本と 雑感日記

60代後半に再開したお絵描きと、読書の備忘録。考えさせられたことなども綴ります。

読書感想『医者という病』(和田秀樹)

[内容]

表紙の帯は「医療界の不都合な真実」「闇を暴く」となっている。本書ではこの言

葉通り医療業界の実態が、次々と明かされていく。

[感想]

著者は精神科医。国際医療福祉大学教授。著書多数。

 

前書きに「自分が全部正しいと言うつもりは無い。」と書かれていたが、内容は医

療業界を描いたドラマや告発本と大筋で共通しており、概ねその通りなのだろうと

思いながら読んだ。

 

日本の医療業界の大きな問題点は、新しい研究や自分に都合の悪い研究は認めない

ところだという。自分にとって不利益になることは、医学全体や患者の為になるこ

とでも隠蔽しようとする体質であるとも。

 

他にも多くの問題点が挙げられているが、本書の場合 大学病院や医薬会社のみな

らず個人に関しても実名が明示されており、著者の本気と覚悟を感じながらも、名

指しされた側の話も聞いてみたいと思った。

 

大学病院には教育・臨床・研究という3つの役割があるが、日本の大学は世界的に

見ても2流3流の医療しか提供していないと厳しく批判。患者は自分が新薬の実験

台、練習台になるというリスクを背負う必要があるという。

 

“医局”は、医療界で絶大なパワーを持つ医学部教授を頂点としたピラミッドの組織

で、彼らの意に添わない発言をする人間は淘汰される、大学病院のガンであるとも。

 

医薬品メーカーと医者との癒着で、過剰な薬剤投与が起きている。薬を沢山使うと

製薬会社から研究費等で厚遇が受けられるからだそうだ。

 

現在役人の公益法人への天下りは禁止されているが、何故か大学教授への天下りは

禁止されておらず、また中規模製薬会社の社長以下の役員は、かなりの比率で厚労

省の役員だった人が務めているそうで、著者はだからこそ癒着を断ち切れないのだ

ろうと言う。

 

日本医師会は全ての医者の代表ではない。その主張の多くは開業医の利益を守る

ものばかりで、彼らは様々な医療の問題を引き起こす元凶でもあると指摘。

 

患者思いの医者を排除する元凶は“大学入試面接”で、年齢差別、性別差別、障害者

差別がまかり通り、教授たちが欲しいのは“素直に言う事を聞く兵隊である”と…。 

 

健康においての正常値とは、高齢者を除く全成人世代の平均値のことであり、健康

診断の多数は、日本人の健康範囲かどうかを調べるものに過ぎない。又人間には個

人差があり、正常値に拘り過ぎると、逆に患者を不健康にしてしまうと注意喚起。

 

以下、著者が指摘しているその他の事柄の中から、3点だけ箇条書き。

◎大勢の人にコロナワクチンを打たせ、後遺症者を多数出した医者達の罪は重い。

◎がん検診は不要。一番怖いのは、“がんもどき”を無理やり治療する行為だ。

◎専門医に頼るのは難病の場合だけで、普段は総合的に診てくれる病院で治療を。

 

以下に、私事な理由で特に心に刺さった言葉を。

医学博士が与えられる論文の多くは動物実験の結果であるため、その期間の臨床

 がおろそかになりがちです。内実だけ見れば、医者の資格ではなく、獣医の資格

 と同じようなもの。獣医はちゃんと動物を治療するのに、彼らは多くの動物を殺

 しているので、獣医の方がはるかに偉いと私は思っています。

(以前動物ボランティアの先輩に、全く同じ事を言われたことがあった。)