[内容]
副題『情報の産業革命が世界のすべてを変える』 (共著)ケネス・クキエ
ビッグデータによって様々な予測が可能になったことを、豊富な実例で解説。
[感想]
以前は、ネットの情報は殆どが役に立たないゴミだと言われていた。
しかし本書は「膨大な検索データからインフルエンザを予測したグーグル」
「2000億件近い運賃情報を基に航空券価格を予測」と、驚きの話から始まり、
ビッグデータとは何か、今迄のデータとはどう違うかの解説が続く。
サイエンスから医療、金融業界まで、あらゆる分野の予測が可能になってき
てるそうで、そんなことまで分かるものなのかと、興味深く読んだ。
(とても読みやすい翻訳。でも専門的な箇所は流し読み。^^;)
ビッグデータの大きな変化として、以下の3つが挙げられている。
「限りなく全てのデータを扱う」「量さえあれば精度は重要ではない」
「因果関係ではなく相関関係が重要になる」
要するにビッグデータというのは、数字から精度ではなく確率を読み取り、
ビッグデータを相関分析にかければ、データが答えを作り出すのだとか。
私達にもお馴染みの有名企業の話を2つ抜粋。
「個々の顧客の購入履歴や、好みのデータに基づいて書籍を推薦する仕組みで
書評家を敗北させたアマゾン。」
「アップルは世界中の携帯電話会社数十社からデータを集めており、アップルが
携帯電話に新規参入したのも、正にこれが理由だ。」
ビッグデータのマイナス面、管理の問題についても様々な角度から考察されて
おり、プライバシーに及ぼす影響やビッグデータは絶対ではない点を指摘。
使う時には謙虚な姿勢と人間性を忘れてはいけないと結んでいる。