ほたるBBの 絵と 本と 雑感日記

60代後半に再開したお絵描きと、読書の備忘録。考えさせられたことなども綴ります。

読書感想『本当のことを言ってはいけない』 (池田清彦)

[内容]

マスコミの報道や、国内・外機関の発言の裏に隠された真実を指摘し、歯に衣着せ

ぬ持論を展開。副題『世間にはびこるウソを見抜く』

[感想]

著者は生物学者早稲田大学名誉教授。『ほんまでっか⁉TV』のコメンテーター。

 

本書はメールマガジン池田清彦のやせ我慢日記」に加筆・編集したもので、考察

の対象は、政治・経済、医療、動植物、AI他あらゆる分野に及ぶ。

 

「年金の財政が破綻することが分かっている政府は、平均寿命が100歳になるとウ

ソをついて、高齢者を働かせようとしている。」…こんな風に随所で政権をめった斬

りにしているが、まあ平均寿命100才説を信じてる人は殆どいないだろう。

 

ネット上には「未来はAIに支配される」などの言葉が飛び交っているが、著者は

「未来は予測できても作ることはできない。」とバッサリ。AIのことはよく分から

ないが、全てをAIで判断する世界は、一つ間違えると恐ろしい事になりそうだ。

 

著者はベーシックインカム肯定派で、そのためには経済に関する常識をひっくり返

す必要があると提言。しかし「今の日本人を見る限り大半の国民は無教養の烏合の

衆になりそうな気がする。」とも言っており、これは当たっていそうな…。

 

「何故大学の授業料はかくも急上昇したのか。」「高等教育を市場原理に任せれば、

国力は衰退するに決まっている。」…と、日本の教育界を本気で憂えている。

ちなみに日本の公的な支出の中で教育費が占める割合は、OECD(経済協力開発機構)

加盟国の中で最下位だったとか。(2024年現在は、下から3番目)

 

「メガソーラーがもたらす悪夢」…著者と同じように多くの人が、山林の伐採など

による自然破壊に抗議しているが、補助金が出るなど国の強い後押しがあるので、

そんなことは“どこ吹く風”状態だ。近い将来、メガソーラーパネルが瓦礫となる日

が来ると言われているが、その時国はどう対処するつもりなのだろう。

 

『動植物散策』の章では、虫を始め動植物の面白い話が沢山あったが、考えさせら

れることの方が多かったかもしれない。

外来種というだけで悪の権化のように言われている。」…この言葉通りで、外来種

の根絶やしに躍起になる国の姿に疑問を感じ、容赦なく殺される動物を哀れに思う

人は大勢いる。(外来種については著者の別著『生物多様性を考える』に詳しい)

 

本書ではこの他に、

捕鯨から撤退した国々の本当の理由。

EUで基本的に使用禁止されている農薬が、日本では大量に使われている。

・健康診断は必要ない。

二酸化炭素の排出が地球温暖化の原因とするインチキ。

等々、新聞やテレビだけでは知り得ない事や、反論が多そうな事も色々論じられて

いる。