ほたるBBの 絵と 本と 雑感日記

60代後半に再開したお絵描きと、読書の備忘録。考えさせられたことなども綴ります。

未来を生きる君たちへ(主演) ミカエル・パーシュブラント

[内容]

2つの家族を通して、理不尽な暴力に対する「復讐」と「赦し」が描かれている。

         (2010年 製作国 デンマークスウェーデン )映画賞受賞

[感想]

舞台は少年達のイジメの世界と、もう一つ、難民キャンプでの深刻な暴力の世界。

 

エリアスはいじめられっ子で、医師の父親はアフリカの難民キャンプで働いていた。

転校生のクリスチャンは、病気の母が死んだのは父親のせいだと誤解していた。

 

クリスチャンが、エリアスを苛めていたリーダー格に大怪我をさせてしまい、父親

から「報復にはきりがない。」と諭されるが、父に反発してる彼は納得しない。

 

ある日エリアスの父親が、些細なことで子供達の目の前で殴られる事件が起きる。 

父親は一度も反撃をせず、無抵抗を貫く事で子供達に内面の強さを教えるが、

クリスチャンは納得せず、男に報復するために及び腰のエリアスを巻き込んで、

とんでもない事をしでかしてしまう。

 

一方、仕事のためにアフリカに戻っていた父親は、難民キャンプにやって来た極悪

犯罪集団のボスを治療するが、男は結局被害者の家族達によって殺されてしまう。

キッカケは、日頃「やり返す限り暴力の連鎖は断ち切れない。」と考えていた筈の

彼が、強い怒りで診療所からボスを追い出してしまったことだった。

 

非暴力の大切さと2人の父親の気持ちは理解できるが、この映画を観て私が感じた

のは、無抵抗は駄目だということだ。

理不尽なことを仕掛けてくるような人間(国も)には、そんなことをしても通用せず、

むしろ増長するだけなのは歴史が証明してるし、今も多くの国が蹂躙され続けている。

 

この後、瀕死の重傷を負ったエリアスをめぐって大きな展開があるが、救いも希望も

ある心温まるラストで、良い映画だった。

 

未来を生きる君たちへ [DVD]

未来を生きる君たちへ [DVD]

  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2013/06/28
  • メディア: DVD