[内容]
内戦で孤児となったスーダンの子供達の、過酷で波乱万丈の人生が描かれ
ている。 副題は『いちばん優しい嘘』 (2014年 製作国 アメリカ・インド)
[感想]
1983年スーダンで内戦が勃発し、南部の村は皆殺しにより壊滅状態になった。
そんな中、隠れていて助かった6人の子供達がいた。
彼らは長老からの言い伝え通り、安全であることを信じて、エチオピアを目指して
歩き始めた。しかしそこにも兵士が居て、途中で出会った難民達は皆殺しにされ、
長兄は兵士に見つかって連行されてしまう。
その後はマメールがリーダーとなり、様々な困難に遭いながらも1250㎞の道を
ひたすら歩き続け、やっと隣国ケニアに着いた時は4人だけになっていた。
2000年にアメリカが、キャンプ育ちの難民3600人を受け入れることになり、キャ
ンプで医師の助手として働いていたマメールと、共に生きて来た3人も希望を抱い
てアメリカに渡った。
この後 苦労や挫折もあるが、最初は適当だった職業紹介所のキャリーが、とても
親身になってくれ、生活も落ち着いてくる。そんな時、兄が生きてるかも知れないと
正直で兄弟思いのマメールが、兄を救うためについた嘘…グッド・ライ。
兄に代わって厳しい人生を歩む選択をした、マメールの優しさがせつない。
実話をもとに制作されたそうだが、それにしても何と過酷な人生だろう。
後で、マメール役と他の2人も実際のロストボーイと知って、それにも驚いた。
※ロストボーイ = 難民キャンプでの、スーダンの孤児集団の呼び名。
先日アメリカで、武器を持たない黒人男性が警察官に殺され、人種差別に抗議する
デモが世界中に広がっている。彼らも同じ思いでいるのだろうか。