ほたるBBの 絵と 本と 雑感日記

60代後半に再開したお絵描きと、読書の備忘録。考えさせられたことなども綴ります。

税金を払わない奴ら (大村大次郎) ビジネス社


[内容]
大企業や富裕層などは合法的な脱税状態にあるとして、その中身を解説。
[感想]
著者は元国税局調査官。 本書でやり玉にあがっているのは、
トヨタ、大企業、富裕層、開業医、宗教法人、教育現場、公益法人 等々。 

 

昔から とかくの取り沙汰がある企業・人達ばかりで、
税制というのは、如何に力の強いものに都合よく不公平に出来ているかを、
実例をあげながら分かり易く説明されていて面白かった。

 

ネットを見てみたら「賃上げ促進減税」と「研究開発税制」の問題点を指摘する
記事が沢山出てきた。
更に「企業・団体献金」で検索すると、日本自動車工業会日本医師連盟など、
著者が挙げた業界がズラッと出て、
政治献金と優遇税制の関係というのは、結局はそういうことらしい。

 

節税は中小企業や個人にとっても大事だ。
大金持ちじゃなくとも、相続税のことを考えて計画的に少しずつ資産を贈与する
話は聞く。しかし贈与税の問題がからみ、それにも限度がある。
対して、一部の企業や特定の職業・富裕層は、まるで既得権のように優遇措置
を受け続けており、そのことに多くの人が疑問を感じるのは当然だろう。

 

「そもそも富裕層の資産というのは、日本という国の治安が良く、産業力もあっ
たから得ることが出来たもので、その人の努力だけで獲得したものではない。」
この言葉に関しては、その通りではあるが著者の富裕層への目はとても厳しい
と感じた。調査官時代に、様々な問題ケースを見てきたのも理由だろうか。