昔通っていた絵画サークルに、同じ題材の絵しか描かない女性がいた。
年齢は50歳くらいで、絵は1年ほど前に始めたばかり。「色々なものを
描くより、一つのものを深めたい。」と言っていた。
彼女が描いていたのはバラの花で、私はよく飽きないなと感心して見ていた。
それから約3年後。公募展の会場で、彼女の絵を見つけて驚いた。
そこに描かれていたのは、やっぱりバラの花。だがとても素敵な絵で、私は
思わず「凄いなあ…。」と呟いた。
私も今、好きなものしか描いておらず、しかも手近なものばかり。仲間は
いないから切磋琢磨も無いが、楽しいのでこれで良しと思っている。
絵に限らず趣味の教室では、作品展の時に生徒の作品に値段をつけて売るこ
とがある。ある作品展(絵ではない)でのこと。ズラッとプロ顔負けの値段が
ついてるのを見て驚いていたら、生徒の一人が「これを作るのにどれだけ
時間をかけたと思ってるの。職人じゃないのよ。(心がこもってる)」と言った。
それに対して私が思ったのは「職人さんは凄いよ。私達の場合、作品に時間
がかかってるのは素人で未熟だから。」…口には出さなかったけど^^;。
ところで、プロ・アマに関係なく素晴らしい絵を描く人は沢山いるが、最近私
が感心することが多いのは、漫画家だ。昔と違ってデジタル制作が増えている
ようだが、様々な動きや表情を描きわけ、アシスタントがいたとしてもあれだ
け沢山の絵を描き続けられるなんて、やっぱり舌を巻く。