ほたるBBの 絵と 本と 雑感日記

60代後半に再開したお絵描きと、読書の備忘録。考えさせられたことなども綴ります。

『新聞という病 (門田隆将) 産経新聞出版』 感想

[内容]

本書は新聞と雑誌に掲載した原稿を元に加筆・再構成されたもので、内容の

大半は朝日新聞毎日新聞の今迄の報道についての解説。

副題は『こうして新聞は大衆に負けた』

[感想]

帯に「地道な取材より会見の失言狙い」「命より憲法という本末転倒」「発言

切りとりで舌禍創作」等々、ポイントが箇条書きされていて分かり易い。

 

「森友問題」「少年犯罪」「中国・韓国との関係」「オバマ氏の広島訪問」など、

内容は多岐にわたっていて、その中でも下記は特に興味深く読んだ。

 

◎「吉田調書問題」…2011年の原発事故で、朝日新聞が「所員は吉田所長の

命令に逆らって逃げ出した」という誤った報道をした時の顛末。

◎「海外での人質事件」…多くのマスコミが「自衛隊が救出に乗り出すことは

海外での武力行使にあたる」と言って反対することについて、著者は 命と

憲法のどちらが重いのかと問う。

◎「慰安婦捏造問題」…これについては「今や世界各地の慰安婦像は60を超

 え--(略)-日本の若者の将来のためにも、朝日には、国際社会に向けての

訂正記事と謝罪文の掲載を強く求めたい。」と訴えている。

 

著者は(一部の)新聞を「自己の主張に都合の悪い情報は決して報じず、リベラル

ではなく単なる反日だ」と一刀両断にし、更に「読者は記者たちに対して安っ

ぽい正義感など求めていない。欲しいのは正当な判断をするための客観事実だけ

だ。」と言う。

 

ネットの浸透と共に若者の新聞離れが進み、「今やメディアによる情報は、当事

者や大衆によってチェックされ、論評の対象になる時代である。」というのは、

本当にその通りだと思う。ちなみに私は、12年前に新聞の購読をやめた。