[内容]
本書は新聞と雑誌に掲載した原稿を元に加筆・再構成されたもので、内容の
副題は『こうして新聞は大衆に負けた』
[感想]
帯に「地道な取材より会見の失言狙い」「命より憲法という本末転倒」「発言
切りとりで舌禍創作」等々、ポイントが箇条書きされていて分かり易い。
「森友問題」「少年犯罪」「中国・韓国との関係」「オバマ氏の広島訪問」など、
内容は多岐にわたっていて、その中でも下記は特に興味深く読んだ。
◎「吉田調書問題」…2011年の原発事故で、朝日新聞が「所員は吉田所長の
命令に逆らって逃げ出した」という誤った報道をした時の顛末。
◎「海外での人質事件」…多くのマスコミが「自衛隊が救出に乗り出すことは
海外での武力行使にあたる」と言って反対することについて、著者は 命と
憲法のどちらが重いのかと問う。
◎「慰安婦捏造問題」…これについては「今や世界各地の慰安婦像は60を超
え--(略)-日本の若者の将来のためにも、朝日には、国際社会に向けての
訂正記事と謝罪文の掲載を強く求めたい。」と訴えている。
著者は(一部の)新聞を「自己の主張に都合の悪い情報は決して報じず、リベラル
ではなく単なる反日だ」と一刀両断にし、更に「読者は記者たちに対して安っ
ぽい正義感など求めていない。欲しいのは正当な判断をするための客観事実だけ
だ。」と言う。
ネットの浸透と共に若者の新聞離れが進み、「今やメディアによる情報は、当事
者や大衆によってチェックされ、論評の対象になる時代である。」というのは、
本当にその通りだと思う。ちなみに私は、12年前に新聞の購読をやめた。