ほたるBBの 絵と 本と 雑感日記

60代後半に再開したお絵描きと、読書の備忘録。考えさせられたことなども綴ります。

あの子を探して (主演) ウェィ・ミンジ

「内容」

農村の小学校に代用教員としてやって来た少女と、そこの生徒達の物語。

                 (1999年 製作国 中国) 映画賞受賞

「感想」

子供達の演技があまりにも自然で、ドキュメンタリーを見ているようだった。

それもその筈、出演してるのは皆現地の素人の子達で、脚本にとらわれず自然体

を尊重して撮影されたという。

 

代用教員として村長に連れてこられたミンジは、まだ13歳。いつもブスっとして

いてあまりやる気がなさそうに見える。彼女は1か月間だけの住み込みで、そこに

は寄宿舎として寝起きする子達もおり、彼らと一緒の生活が始まる。

 

少人数の為教室は1つだけで、そこで生徒全員が一緒に学んでいた。

放っとくと、家庭の事情で学校に来なくなる子も多く、校長はミンジに「誰も辞め

なかったら褒美として多めに賃金を上げる。」と約束。

 

だが子供達は次々と騒ぎを起こし、更にヤンチャ坊主ホエクーがパッタリ学校に

来なくなる。彼は病弱な母親と2人暮らしで、1人で街に出稼ぎに出ていたのだった。

 

この事がキッカケで、ギクシャクしてたミンジと子供達の関係が一気に変わる。

ミンジはホエクーを捜しに一人街に出るが、中々うまくいかず最後にはお金の為で

はなく心から心配して、テレビで涙ながらに「ホエクー、帰って来て」と呼び掛ける。

 

何気に目に入る街並みと、村の環境の落差に中国の現実があらわれていて、そちら

にも目を奪われたが、ラストは子供達の笑顔がキラキラしていてとても良かった。

 

監督は『HERO』などのヒット作を連発しているチャン・イーモウ

少学校の巡回映画を思い出させるような地味な内容なのに、受賞するほど面白い

作品に仕上げており、さすがだなと思った。

 

あの子を探して [DVD]

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