昔20代後半の知人が、舅から「将来お前達も住むことになるのだから。」と
親子ローンを組まされ、夫が親の言いなりだと嘆いていたことがあった。
彼らは転勤族だったので結局故郷には住まず、後年都会に自分達の家を建てた。
親子ローンを利用している人の多くは同居しているようで、殆どは問題ないと
思うが、それでも子供があまりにも若すぎる場合はどうなんだろう。
以前住んでいた家の近所に、かなり傷んだ家があった。だがある時立派な家に
建て替えられたので、周りの人達は皆驚いた。そのお宅の事情を知る人が、彼
らに金銭的な余裕は無い筈だと話していたからだ。
後に、家は息子さんと親子ローンを組んで建てたのだと分かった。彼はまだ
20歳を過ぎたばかりだったが、本人が納得しているのなら、周りがとやかく
言うのは余計なお世話だろう。
しかし親子ローンは子供側にはデメリットもあり、正直言ってそんな若い子が、
奨学金の比ではない大きな借金を背負うのかと、少しやるせなかった。
その少し後に我が家も家を新築した。銀行から郵送されてきた住宅ローンの
返済予定表を見たら、最初は殆どが利子の返済で、分かってはいたがこれ程
酷いのかと驚いた。又、当時は今とは比較にならないほど金利が高く、返し
ても返してもなかなか元金が減らないことを考えて、銀行員から「心配し過
ぎ」と苦笑されたが、出来るだけ繰上げ返済できるよう頑張った。
先日、まだ金利の高い時に家を建てた知人が、借り換えの手続きを終えて
(親子ローンではないが)子供に負担をかけなくて済んだと喜んでいた。先の
見通せないこの時期、やはり早めに借入先に相談することが重要だそうだ。