ほたるBBの 絵と 本と 雑感日記

60代後半に再開したお絵描きと、読書の備忘録。考えさせられたことなども綴ります。

お金を貸すことの善し悪し 

結婚した当初に一度だけ、親にお金を借りたことがある。毎月少しずつ返済

していたのだが、その1年後遠路はるばる家族で遊びに来てくれた母から

「お金はもういいから、毎月少しでも貯金しなさい。」と言われた。

 

母は娘の思ったより質素な生活に驚き、可哀そうに思ったらしい。

夫の給料で人並みの生活はしていたが、借金返済のために贅沢や貯金は出来

なかったので、母の言葉に感謝して甘えさせてもらった。

 

それから十数年後、今暮らしているこの地に家を買って移り住んだ。

この頃から時々、地元の知人数人から借金を頼まれるようになった。

その中に一人、身の丈以上の暮らしをしながら借金を繰り返す人がいて、

さすがに最後は私が前面に出て、本人に直接お断りの言葉を伝えた。

 

お金を貸すのは本人の為にならない、人間関係も悪くなると言われる。

確かにそういう人もいたが、しかし真っ当に生きているのに失敗してしま

った人や、不運に見舞われた人まで突き放すのは、冷た過ぎると思う。

 

この夏から自殺者が増加している。原因としてコロナ禍による失業と生活苦・

先行き不安などが挙げられ、特に女性と若い人の増加が問題視されている。

しかし警察庁の「令和2年中における自殺の状況」を見ると、男性の自殺者

の方が多いのは今も変わらず、その原因の多くはやはり経済・生活問題だ。

 

平成27年に「生活困窮者自立支援制度」が始まり、各市町村に「相談窓口」

が設けられた。この他にも全国には沢山相談できる窓口があり、「遠慮せず

に助けを求めてほしい」と呼びかけている。

 

身近な人が、見守りや金銭的な手助けで立ち直れるのなら、出来るだけのこ

とをしてあげたいと思うのが人情だ。だが自分達ではどうしても無理だと思

った時は、こういった機関を利用させてもらうのが良いと思う。