ほたるBBの 絵と 本と 雑感日記

60代後半に再開したお絵描きと、読書の備忘録。考えさせられたことなども綴ります。

農作物の種を自分では採れない 

子供達が小さい時は、どこに引っ越しても家庭菜園を楽しんできた。

10年程前、知人が借りていた畑を私も一部又借りして、ほんの少量だが

1年間野菜作りをした。その後、いつか畑を再開してその時は自分で種を

採ろうと思い、『野菜の種はこうして採ろう』((船越建明)という本も買った。

 

しかし「今 ホームセンターなどで売られてる種の殆どは、成長しても種の

自家採取が出来ない外国産のF1品種ばかり。」と知り、とても驚いた。

スーパーに並んでる農作物も、殆どがF1の種で作られたものだという。

 

F1品種(一代雑種)は、正確に言うと「一代目の子には両親の強い形質のみが

現れるが、その種子から作られた子同士を掛け合わせても、優れた品種を作

ることは出来ない」というもので、そのため今は農家でも、毎年外国の種子

企業から種を買ってるのが殆どだそうだ。

 

「種子を制する者は世界を制する」という言葉があり、既に種子の世界は

少数の多国籍企業によって支配されているという。

 

しかし種子というのは元々自然のもので、誰かが発明して作り出したわけでは

ない。全ての人間が生きる為に必要なそれを、改良に多額のお金と時間をかけ

たからと、少数の企業が独占し続けることに疑問を感じる。実際、種子の殆ど

を特定の企業に依存していることに、危機感を感じてる人は多いようだ。

 

昨年の12月に『種苗法』が一部改正され、その一つに「農家による登録品種の

“自家増殖”に育成者の許諾が必要になる」というのがあった。

 

しかし対象となるのは新たに開発された登録品種のみで、家庭菜園のように

自家消費が目的の場合は、この法の対象にはならないという。

家庭菜園を諦めた私が言うのもなんだが、本格的な自家栽培を考えてる人は、

こういった品種や、在来種・固定種の種から始めるのも面白いかも知れない。