ほたるBBの 絵と 本と 雑感日記

60代後半に再開したお絵描きと、読書の備忘録。考えさせられたことなども綴ります。

大人になっても虚言癖の治らない人

子供の時、近所に “嘘つき”と言われている女の子(Rさん)がいた。

少しワガママだが愛嬌があり、嘘の内容はすぐばれる他愛の無いもの。

 

私がまだ親元で暮らしていたある日のこと。突然家に来たRさんから、切羽

詰まった様子で「匿って!」と言われた。訳を聞くと、無理やり結婚させら

れそうなので、逃げて来たと言う。

 

私は彼女が結婚する事さえ知らずにいた上に、逃げた理由が「彼に飽きた。」

で思わず絶句。聞けば結婚式は数日後だそうで、私は一生懸命説得を続けた。

 

3時間ほど経った頃、居間に居る父に私だけ呼ばれた。たった今Rさんの父親

から電話があり、うちに居ることが分かった途端、酷い言葉を浴びせられたら

しい。私は、事情を知った父から「あの子は帰しなさい。」と厳しい顔で叱られ、

親達の怒りは当然なので「きちんと話し合うように。」と彼女に伝えた。

 

共通の知人によると、結局Rさんは結婚式を挙げたが、数か月後には離婚。

私のことは「裏切者。絶対に許さない。」と言っていたそうだ。

 

それから10数年後のこと。突然Rさんから電話が来て、私の家に泊まりに来

たいと言う。迷ったが、あの時の事を聞きたいと思い承諾。しかし彼女はその

話は はぐらかして、小説のような“波乱万丈の人生”を語ることに終始した。

 

翌日、迎えに来たのは彼女の父親だった。私とは初対面だが、その人は何故か

「あっ」という顔でしげしげと私を見つめ、別れの挨拶の時は驚くほど丁寧に

深々と頭を下げていかれた。多分、娘の昔の嘘に気付いたのだと思う。

 

ちなみに子供の虚言癖は、病気でなければ早い時期の適切な対処で悪化を防げ

るそうだ。彼女が病気だったかどうかは、分からない。