ほたるBBの 絵と 本と 雑感日記

60代後半に再開したお絵描きと、読書の備忘録。考えさせられたことなども綴ります。

囲碁をやめた理由

小学生の時に父親から囲碁の初歩(の初歩)を教わり、たまに姉とゲーム感覚

で遊んでいた。結婚してから定石の本を読むようになり、小学生の3男が

囲碁教室に通い始めたのを機に、私も別の日に教わるようになった。

 

入会してすぐに先生からの紹介で、同じ碁会所に通う女性と友達になり、

週1で交互にお互いの家で打つようになった。きれいな碁を打つ人で、逆に

それが上達の妨げになってると自虐していたが、私よりは強くて初段目前。

教え上手で、おしゃれでユーモアのある楽しい人だった。

 

それから2年ほど経ったある日のこと。その日は我が家で碁を打っていたの

だが、彼女との対戦を希望していた知り合いの老人(М氏)が、キッチリ断った

筈なのに家にやって来た。

 

彼女は戸惑いながらも相手をしてくれたが、М氏は “力碁” (ちからご)の人

で自分の方が強いと勘違いしており、時々彼女を指導しながら対戦を進めた。

彼女はその度に「おかしくないですか?」と言いながらも、М氏を立てて石を

置き直したりしていたのだが、この老人、最後に「あれ?わしが勝ってしまっ

た。」とやってしまった。

 

私は彼女が帰る時にМ氏の失礼を詫びたが「あんな騙すような手を打って…。

申し訳ないけど もうここには来ません。」と涙目で言われてしまった。

 

М氏がわざと勝ったわけではないのは分かってる。しかし下手(したて)に見ら

れたくなくて、ムキになり過ぎた。実はこういうタイプは珍しくなくて、彼

らに共通してるのは、“昔取った杵柄”で普段は碁を打たないという点だった。

碁会所にはそんな人はいなかったが、他にも思うところがあって、私はこの

日を最後に碁を打つのをやめた。

 

先日人づてに彼女が亡くなったと聞き、驚きと共にあの時の事を思い出した。

Hさん本当にどうも有難うございました。            合掌