ほたるBBの 絵と 本と 雑感日記

60代後半に再開したお絵描きと、読書の備忘録。考えさせられたことなども綴ります。

『心に残るとっておきの話(潮文社編集)』感想 

[内容]

全国からの投稿764編の中から選ばれた、心にしみいる体験談が綴られて

いる。 副題は『煌めく人間群像・珠玉の佳話58編』

[感想]

本書はシリーズの第一集目にあたり、”辛い時に差し伸べられた温かい手”

”後になって気付いた深い思いやりの心” “命がけで人を助ける勇気”等々、

様々な立場の人達の感動的な話が続く。中には、投稿者が以前助けたカラス

の死を仲間のカラスたちが知らせに来た、という驚くような話も。

 

私が普段読む本にはシリアス系のノンフィクションが多く、たまに重過ぎる内容

のものを読んでしまうことがある。そんな時に本書を抜き読みすると、何故かホッ

とする。ちなみに本棚には、お笑い系漫画と癒し系の短編も色々置いてある(^^)。

 

本書の『夢の中の妻』という話が気になったので、あらすじと感想を書こうと思う。

 

30代半ばの男性М氏が、毎夜瞑想にふけるようになったある日のこと。

突然夢の世界で、現実とは別の妻子との生活が始まり、朝 目が覚めると消え

てしまうという二重生活を送る日々となった。キッカケは、瞑想中に尾てい骨の

辺りからビー玉大の火の玉が湧き出して、それが脊柱を上昇したことだった。

 

毎晩夢の家族と幸せな生活を送っていたが、突然その世界に行けなくなり、あ

る著名な霊能者に相談に行った。しかしその翌日に師から言われたのは、彼ら

はМ氏の想像の産物などではなく、師が直接彼らと会ってきたということ。

そしてこのまま彼らと会い続けていたら、М氏の精神に異常をきたしてしまうと

いうことだった。それでも師はМ氏の願いを聞いて、お別れを言うために最後に

一度だけ彼らと会わせてくれた。  …という内容だ。

 

間違った瞑想をすると“禅病”になることがあるそうで、禅宗臨済

「瞑想により仏陀如来が現れた時は槍で突き刺せ」と言っている。

禅病 = 幻覚幻聴が起きて神や天使が見えるなど、色々な症状が出る。

 

果たしてМ氏の場合は禅病だったのか、それとも師が言うように、宇宙は色んな

世界が複合し重なり合って存在しているのか。いずれにせよ瞑想をする時、

「独学」「長時間」「スピリチュアルを求める」…には要注意だそうだ。