今日は、(大層な内容ではないが)昔少しだけ驚いたヤクザ?の話を2つ。
実家の近所に、1階が作業場になってる小さな家があり、そこで家主の老人
が毎日1人で仕事をしていた。壁際のスペースには可愛い小犬が座っていて、
中学生の私は時々「ワンちゃん見せて♪」と、その小犬に会いに行っていた。
2階にはヤクザ風の間借り人の男性がいて、初めてその人を見た時は驚い
たが、小犬を見る目が優しかったので怖くはなかった。
ある夜近所で、まるで映画のように仁義を切る声が聞こえてきたという。
1人が「手前、生国と発しますところ〇※△…(略)。」と口上を述べ終えると、
もう一人も同じように返していたとか。大人達が怖いねと話すのを、私は目
を丸くして聞いていたのだが、それからすぐにその男性の姿を見なくなった。
(現在は口上を述べる習慣は殆ど廃れてるそう)
もう1つの驚いた経験は、息子達と3人で祭り見物に行き、信号待ちをして
いた時のことだ。私達の前には、一見してその筋の人と分かる男性が立って
いた。その時二男(5歳)が、ビニール袋に息を吹き込んでパンパンに膨らませ、
それを勢いよく叩いて割ったため、パン!という凄い音が響いた。
その瞬間男性が、ファイティングポーズを取って振り返り、鋭い目で辺りを見
回した。私が慌てて説明して平謝りすると、男性は「お・おう。」と拍子抜けし
た顔で去って行った。悪いのはこちらなのだが、私もヘナヘナと力が抜けた^^;。
昭和初期の有名な任侠演歌に「 亭主もつなら堅気をおもち とかくヤクザ
は苦労の種よ 」という歌詞があるが…確かに大変そうだ。