[内容]
養護学校の校長による、国旗国歌に反対する教職員との3年間の闘いの記録。
[感想]
序章に「同じことの繰り返しで、読んでいてイヤになるかもしれませんが」と書
かれているが、確かにその通りで、俄かには職員達の言動が信じられなかった。
著者が悪戦苦闘していたこの時期に、公立学校の先生の自殺が相次いだ。
「教職員組合から、卒業式での国旗・国歌の実施に強く反対されて。」という
その内容に、世間はとても驚いた。
以下、本書より職員側の主張を一部抜粋。
「日の丸と君が代は右翼の旗、右翼の歌だ」
「憲法にも書かれてない『君が代』を歌わせることは、子供達をないがしろにする
ことだ。」
「在日韓国朝鮮人のような、日の丸や君が代によって嫌な思いをする人達のこと
も考え、少数派の痛みに配慮すべきではないか。」
本書の内容は一方的だという意見もあるが、私も昔、子供の学校の教師から似た
ような言葉を聞いており、(極一部の教師に対してだが)「学校を政治活動の場にし
ないで」「子供に政治信条を押し付けないで」というのが、母親達の本音だった。
H11年、広島県立世羅高校の校長が自殺したのをきっかけに、国旗国歌法が制定
され、正式に「日の丸」が国旗に、「君が代」が国歌として法律で認められた。
血塗られてない国旗なぞ、世界中どこにも無いと言われる。
又、私が初めて他国の国歌の翻訳を読んだ時は、「敵を討ち破れ」など、まるで
軍歌のような歌が多くて、日本の国歌との違いに驚いたものだ。