家だけはローンで買ったが、それ以外は車なども全て一括払いでやってきた。
お金に余裕があったからではなく、新婚時代の金欠が身にしみてて、欲しいも
のがあっても我慢し、貯えてから買うようにしてきた結果だ。
「借金も資産」「借金出来るのは甲斐性」「借金があるから頑張れる」という
のは確かにその通りだが、事業ならいざ知らず、生活面では“堅実”や“身の丈”
を忘れると大変なことになる。
もう何年も前のこと。当時住んでた家の隣の土地に、若夫婦が家を建てて越して
来た。ご主人は大らかな雰囲気の人で、綺麗な奥さんと小さな子供が1人。
3年ほど経ったある日、夫婦の怒鳴り合う声が聞こえたと思ったら、数か月後
には小さなトラックで家具が運び出され、その日から奥さんと子供の姿を見なく
なった。程なくしてご主人の姿も消えた。
それから1年経った頃、銀行の人が家に来て「お隣のご主人が行方不明なのです
が、どこに行ったか知りませんか?」と聞かれた。そしてご主人の勤めてた会社
が倒産したこと、彼の父親にも所在は知らないと言われたこと、家が競売に掛け
られることなどを聞かされた。奥さんは離婚後1年ほどで再婚したと聞き、彼に
は絶対に這い上がってほしいと思ったのを思い出す。
今、コロナ禍による住宅ローン破綻が心配されている。低金利を反映した借り過
ぎも問題になってるが、過ぎた事を言ってもしようがない。まずは家計を見直す
ことで、借入先に「返済期間の延長」「元金の返済猶予」の相談をする場合は早
めにすることが大事だという。延滞はNGで、助成金の詐欺にも注意が必要だ。