子供達の運動会の時はいつも、朝5時に起きてお弁当作りをした。
九州にいた時は、おにぎりではなく自分で作った海苔巻きを持って行くの
が普通だったので、結構手間がかかったが今では懐かしい思い出だ。
料理を仕上げて重箱に詰めた後、それは家に置いて私も開会式に間に合うよ
うに家を出、お昼少し前に急いでお弁当を取りに帰った。
社宅の奥さんに1人、資産家のお嬢様がいた。一度運動会のお昼を一緒した
ことがあり、そのお弁当の豪華さに目を見張った。実はそれは 料亭に特注
したもので、彼女の家では親の代からそうなのだという。
何年か前、この話をしたら仕出し屋の奥さんが笑いながら教えてくれた。
彼女の店では昔から、運動会のシーズンは家族総出で夜中の12時から何十
家族分ものお弁当作りで大忙しになるのだという。
完成した料理は、奥さん達が前日に持参した重箱に詰められる上に、行楽用
の献立なので多分傍目には注文品とは分からないだろうと。
最近は昔よりも運動会のお弁当を作らないお母さんが増え、コンビニ弁当や
ほか弁、中には家族でレストランに行く人もいるという。
時代は変わったものだと思っていたら、それどころか近頃は、子供達だけで
教室でお弁当を食べる学校が増えており、中には時短でお弁当そのものが無
い学校もあると聞いて驚いた。
この傾向を残念に思う人達もいるが、今は夫婦共働きの家庭が多いのでお弁当
の用意が楽になったと喜んでいるお母さんも多いとか。
なんか寂しい気もするが、近年は猛暑続きで熱中症の心配もあり、案外これ
で良いのかも知れない。
いずれにせよ親として大事なことは、余程の事情が無い限りちゃんと運動会
を見に行って、子供と同じ時間を共有してあげることだろう。