ほたるBBの 絵と 本と 雑感日記

60代後半に再開したお絵描きと、読書の備忘録。考えさせられたことなども綴ります。

退職金は配偶者にも権利があるというけれど

10年ほど前に知人から聞いた話だ。

彼女の舅姑は、離婚しないのが不思議なくらい、夫婦仲が悪かった。

その舅が定年退職した時、家族の前で「退職金は長年働いてきた俺のもの。

生活費はずっと女房に渡してきたし、これからも年金で生活できる筈だ。」と

宣言。キリキリと悔しがる姑を、舅はどこ吹く風で鼻で笑っていたという。

 

ここまで酷いのは珍しいが、「退職金は自分へのご褒美」感覚の男性は結構

いて、大金を手にした途端に金遣いが荒くなった夫や、急に威張りだした

夫の話は私の周りでも聞く。中にはうまいこと小細工して、少なからぬ額を

自分の懐に入れていたという、呆れた話も。

 

多いのは、退職金で家のローンを完済し、残ったお金は夫婦の老後の資金と

して管理する…というものだが、「退職金も共同財産なのだから、半分は私

の名義にすべき。」と主張する妻(夫)もいるという。

だがこれとて、先に書いた舅姑のように一蹴されたら、中々実現は難しい。

 

ところが、これが離婚となったら話は別だ。退職金も財産分与の対象になる上

に、2007年には年金分割制度が導入されている。

 

そのため定年を機に離婚を申し出るケースが増えたが、現実は思惑と違い、

離婚後経済的に困窮する人は少なくないという。

高齢になってからの極貧は、若い時とはまた違った厳しいものがあるので、

最近では、定年離婚を思い直すようにとアドバイスする専門家も多い。

 

他に、投資や開業などで“退職金貧乏”に陥る人は結構多いそうなので、これ

も心した方が良さそうだ。