ほたるBBの 絵と 本と 雑感日記

60代後半に再開したお絵描きと、読書の備忘録。考えさせられたことなども綴ります。

ケチの理由

 

以前、知人から聞いた話だ。

知人の親戚は、夫の定年退職後に家を大幅にリフォームしたのだが、

数か月後「退職金だけじゃ足りなくて、その分は貯金で賄ったのに、ダンナが

勝手に〇百万円もする買い物をしてきた。」と、こぼしたそうだ。

 

「支払いは頼んだぞ。」と事後報告され、妻が「どこにそんな余裕がある!」

と怒ったら「お前は金・金って、金の事ばかりだ!」と、逆切れされたという。

遣り繰りは妻任せで「後は良きに計らえ。」の夫と暮らすのは、ケチな夫より

大変かもしれない。

 

これが独り身なら、どんなお金の使い方をしようが、周りに迷惑をかけてるので

なければ、他人があれこれ言うことはないのだが、昔、新聞でこんな内容の記事

を読んだことがある。

 

『極貧で超ケチと思われていた一人暮らしの老女が亡くなった後、1千万円もの

現金が出てきた。』

それに対するコメントが、「あの世までお金を持って行けるわけじゃなし…。」と、

苦笑するような口調だったのが少し気になった。

 

あれからン十年。自分も高齢者となり、今はその老女の気持ちが少しだけ理解で

きる。1人暮らしで頼る人は無く、稼ぐことも出来ない老女の最後の頼みの綱は、

そのお金だけだったのだろう。もしかしたら、爪に火をともすようにして、少し

ずつ貯えたものかもしれない。

 

真相は分からないが、少なくとも“呆れた業突く張り”呼ばわりは酷だと思う。