ほたるBBの 絵と 本と 雑感日記

60代後半に再開したお絵描きと、読書の備忘録。考えさせられたことなども綴ります。

ゲティ家の身代金 (主演)ミシェル・ウィリアムズ

[内容]

大富豪が、誘拐された孫の身代金を拒否するという、前代未聞の事件を映画化。

           (2017年 製作国 英・米) 映画賞ノミネート多数。 

[感想]

石油王のゲティは世界有数の大金持ちだが、ケチでも有名だった。

1973年、ローマで孫のポールが身代金目的で誘拐され、南イタリアに連れ去ら

れた。誘拐犯の要求額は1700万ドル。

 

途方にくれた母親は、別れた夫の父親であるゲティに相談するが、彼はお金を

出すことを拒否し、押しかけたマスコミのインタビューに「孫は14人いる。

一人に出せば、皆誘拐される。出す金はゼロだ。」と答える。

 

その後誘拐犯たちが仲間割れして、ポールは投資家に売られてしまうが、

ポールの普段の素行が悪かったため、警察からは狂言誘拐を疑われる。

そんな時 新聞社にポールの切り取られた耳が送りつけられてきた。

追い詰められた母親は、今や敵でしかないゲティを相手に大きな賭けに出る。

 

母親の計略が成功して、ゲティはやっと身代金を出すことに同意するが、

(節税目的で値切った)身代金を出す代わりに、子供の監護権をゲティ家に譲る

ことを要求する。それでいて自分の道楽の為には金に糸目をつけず、「金など幾

らでもある。金は空気と同じだ。」と一人呟く姿は、正にお金の亡者。

 

監禁場所でポールの世話を押し付けられた男が、ワルだけど意外と人間味が

あったり、ゲティに雇われた警護の男性が最後に男気を発揮するなど、ホッ

とする場面もあるが、形は違えどお金で身を誤る人間のなんと多いことか。

 

ゲティは事件後程なくして亡くなるのだが、あれほど出し惜しみしてた財産

が全て、ポールを含めた親族に相続されたのが、何とも皮肉で可笑しかった。

 

 

ゲティ家の身代金(字幕版)

ゲティ家の身代金(字幕版)

  • 発売日: 2018/09/05
  • メディア: Prime Video