ほたるBBの 絵と 本と 雑感日記

60代後半に再開したお絵描きと、読書の備忘録。考えさせられたことなども綴ります。

落選狙い保育園、ベビーシッター券

知人(60代女性)の娘さんは共働きで、一時期知人が幼いお孫さんの面倒を見てい

た。あまり小さい頃から保育園に預けることはしたくない、という娘さんの意向

を汲んでのことで、私が「体力いりますね^^。」と言ったら、「仕方ない。娘が

可愛いからですよ。」と笑っていた。

 

今時は祖父母も現役で仕事をしている人が多いので、我が子を親に託して仕事を

続けられる女性は、恵まれている方かもしれない。

 

日本には、給付金が支給される「育児介護休業法」という法律がある。

取得期間は原則1歳迄だが、保育所に入れなかった場合は1歳半迄延長すること

が出来る。(事情によっては2歳迄可)

 

ところが先日厚労省から、「2025年4月から育児休業給付の延長手続きを厳格化

します」というお達しがあった。

 

理由は、育休給付延長目的のために、落選を狙ってわざと倍率の高い保育所に応

募する人が続出しているためで、制度の適切な運用と自治体の事務負担軽減を図

って見直されたのだとか。

 

他の親からの「本当に保育所に入りたいと思ってる人に迷惑をかけてる。」「卑

怯だ。」という声も少なくなかったようで、厚労省も「虚偽申告で給付金を受け

取れば不正受給にあたる可能性がある」と示唆。

 

しかし、ある調査によると「問題は“不承諾通知書”が無ければ育休を延長できない

ことだ」…と考える親が半数以上いるそうで、この問題の解決を望む声は多い。

育児休業期間を一律2歳まで引き上げることが一番の解決策」…と話す専門家も

いるが、財源確保の問題などで実現は難しそうだ。

 

「ベビーシッター利用割引券」というのがある。

券1枚につき、シッター利用料が2200円割引になるというもので、“子ども子育て

拠出金”を財源としており、加入企業が全額負担している。

 

少し前に(2024年2月)、“こども家庭庁”から「ベビーシッター利用券を1.8倍

(70万枚)に増やします」という発表があった。

 

実はこれは、昨年企業側が割引券確保の為に大量の申請をした為、一時的に発行

が中止される事態になった事に端を発しており、一度に申請できる枚数を半減さ

せることも検討されているという。

 

ところで母親達の間では、ベビーシッター割引券を疑問視する声が多い。

以下にその中から幾つかを書き出してみる。

 

・そもそもこの割引券は、勤務先企業が “承認事業主”であることが必須条件。

 使える人と使えない人がいる政策は、不公平である。

・利用者の数は東京都だけで5割を超えるなど、大都市に集中していて偏りがある。

・ベビーシッターを雇えるのは経済的に余裕のある人達。子育て支援は、誰もが平

 等に利用できるものにしてほしい。

・減税や、児童手当を拡大してくれる方が有難い。

 

せっかくの制度が、「特定の立場の人間だけが手厚く保護される」…という悪しき

例にならぬよう、また誰でも幅広く公平に利用できるようにすることが、今後の

課題かも知れない。