私は描いた絵をクリヤーブックに保存していて、それには身内や有名人など、
ブログに載せる予定の無い絵も入れている。
他に失敗作も数十枚程あり、それらはいつか又描き直すつもりで取ってある。
だが中に1枚だけ、全く別の理由でブログに載せるのをやめた絵がある。
描いてから1年後ぐらいにネットで偶然見たイラストが、「よくぞここまで同じ
になるものだ」と感心するほど、私の絵とそっくりだったからだ。
そのイラストがアップされた日付はつい最近のものだったし、そもそも真似した
わけではないことは自分が一番よく知っている。
「プロならいざ知らず」とも考えたが、悩むくらいならと、載せるのはやめた。
この点、プロは素人とは比べものにならないほど、大変だと思う。
周りから厳しく評価されるのもそうだが、同じ時代に同じことを学び、同じ作品
を沢山観てきた人達の間で、似たようなアイデアが浮かぶのは珍しくない筈だ。
又、絵だけではなく音楽や文章など、人は意識していなくとも様々なものを見た
り聞いたりして、影響を受けている。盗作は論外だが、それがヒョイと記憶の引
き出しから出てきた時に、自分のアイデアと勘違いしても不思議はないだろう。
私の場合、今はまだ質感の勉強のため“身近な物をそのまま描いてみる”のが大半
で、アイデアとは無縁の絵が多いが、昔先輩から言われた「あなたや私の考えつく
ようなことなんて、とっくの昔に世界中の人が考えてる。」という言葉を思い出す。