[内容]
マフィアの金を盗んだバーの経営者と、その従弟が追い詰められていく様を
描いたサスペンスドラマ。 (2014年 製作国 アメリカ)
[感想]
ボブは従兄のマーヴが経営するバーで働いており、時々1人で教会に通う
ような真面目な男だが、人に言えない過去があった。
2人は、マフィアのお金を預かるという裏の銀行の仕事もしていたのだが、
ある日2人組の強盗に押し入られ大金を盗まれてしまう。だがそれはマーヴ
が仕組んだ狂言強盗で、真相を知ったマフィアに脅され、彼らは次第に追い
詰められていく。
私はヤクザ関係の映画は苦手で、評判の良いものでも途中で観るのをやめてし
まうことがあるのだが、この映画は派手な抗争シーンが無く、ボブがゴミ箱に
捨てられていた子犬を助けたところから、目が離せなくなってしまった。
ある時ボブが呟いた。「ある種の罪を犯すと絶対に抜け出せず、死ぬのを
悪魔が待ち構えている。」 この言葉にはマフィアと、ある男のおぞましいほ
どの執拗さと、そして静かに態度を豹変させたボブ自身を見て納得。
裏社会と関わりのある生き方をしながらも、過去の過ちを胸にしまい、良識も
弱い者を守る優しさもあった筈のボブが、札付きの連中に否応なしに巻き込
まれていく様にはハラハラさせられたが、哀れでもあった。
ボブ役は、演じる俳優によってイメージが大きく変わりそうだが、トム・ハーディ
はこの役にしっくりとハマっていて良かった。
映画の中で少しずつ成長していくピットビルの子犬と、ボブが微かに笑みを浮
かべた思いがけないラストが嬉しい。