ほたるBBの 絵と 本と 雑感日記

60代後半に再開したお絵描きと、読書の備忘録。考えさせられたことなども綴ります。

『クライム・ヒート (主演) トム・ハーディ』感想 

[内容]

マフィアの金を盗んだバーの経営者と、その従弟が追い詰められていく様を

描いたサスペンスドラマ。         (2014年 製作国 アメリカ) 

クライム・ヒート (字幕版)

[感想]

ボブは従兄のマーヴが経営するバーで働いており、時々1人で教会に通う

ような真面目な男だが、人に言えない過去があった。

 

2人は、マフィアのお金を預かるという裏の銀行の仕事もしていたのだが、

ある日2人組の強盗に押し入られ大金を盗まれてしまう。だがそれはマーヴ

が仕組んだ狂言強盗で、真相を知ったマフィアに脅され、彼らは次第に追い

詰められていく。

 

私はヤクザ関係の映画は苦手で、評判の良いものでも途中で観るのをやめてし

まうことがあるのだが、この映画は派手な抗争シーンが無く、ボブがゴミ箱に

捨てられていた子犬を助けたところから、目が離せなくなってしまった。

 

ある時ボブが呟いた。「ある種の罪を犯すと絶対に抜け出せず、死ぬのを

悪魔が待ち構えている。」 この言葉にはマフィアと、ある男のおぞましいほ

どの執拗さと、そして静かに態度を豹変させたボブ自身を見て納得。

 

裏社会と関わりのある生き方をしながらも、過去の過ちを胸にしまい、良識も

弱い者を守る優しさもあった筈のボブが、札付きの連中に否応なしに巻き込

まれていく様にはハラハラさせられたが、哀れでもあった。

 

ボブ役は、演じる俳優によってイメージが大きく変わりそうだが、トム・ハーディ

はこの役にしっくりとハマっていて良かった。

映画の中で少しずつ成長していくピットビルの子犬と、ボブが微かに笑みを浮

かべた思いがけないラストが嬉しい。