ほたるBBの 絵と 本と 雑感日記

60代後半に再開したお絵描きと、読書の備忘録。考えさせられたことなども綴ります。

動物愛護系のボランティア経験  

50代の前半、正味5年間犬猫レスキュー活動のお手伝いをしていた。

1つ目の会で3年、次に獣医さんが立ち上げた会で2年。

 

キッカケは、ある人から「ほたるさんの住む県では、〇〇という動物ボランティ

アが頑張ってます。ぜひ手伝ってあげてください。」と言われたことだった。

 

しかし動物ボランティアと聞いて最初に頭に浮かんだのは、たまに聞く動物保護

団体の良くない評判と、あのシーシェパード。そんな活動は無理…と思った。

シーシェパード環境保護団体 = 海洋生物の保護を掲げる国際非営利組織。

(外国)の捕鯨船を体当たりで沈没させたり、日本の調査捕鯨を妨害した事で有名。

 

だが、取り敢えずは自分の目で確認しようと、翌週電話連絡をしてから行ってみ

た。その会は小さな平屋を事務所にしていて、保護施設は無く、毎週日曜日に数

人で犬猫の電話相談を受けていた。

 

スタッフに色々話を聞いて私も毎週通う事にしたが、最初は棚にズラリと並ぶ動

物福祉関係の本と資料を読ませてもらい、その酷さに人間嫌いになりかけた。

 

会には他に、人手が必要な時に集まってくれるスタッフが5~6名いて、何度か

皆でレスキューに出向いた。たまに酷過ぎて書けないような事もあったが、以下

に別の意味でちょっと驚きだったものを2つだけ。

 

◎狭い借家で20数匹の猫と暮らす家族。どの部屋も床は糞尿にまみれていた。

 足の踏み場が無くなるとその上にカーペットを敷く…ということを繰り返してい

 たようで、各部屋に3~4枚は重なっていた。その家の主婦と4名のスタッフで

 半日かけて大掃除をし、猫達は不妊手術後に里親募集。飼主の希望で2匹だけ

 残して他の子は皆貰われていった。

 

◎一人暮らしの高齢女性。軽犯罪で拘置所に収容されたため、借家に10数匹の犬

 が残された。会長のお供で私も何度か面会に行ったが、頑として犬を手放すこと

 に同意せず、その間私達は交代で犬の世話に通った。

 結局この女性は、会長が身元引受人となって出所。逮捕から3カ月後にやっと不

 妊手術を施すことが出来、全頭里親さん達に譲渡された。

 

少し前にも似たような事件が報道されていたが、昔からこの手のトラブルは

 全国で起きており、もっと法律を厳しくしてほしいと思う。

 

会では、スタッフが個人的に受けた相談は会には持ち込まず、各々が自分で犬猫

を保護して新聞などで里親を募集。費用も寄付金には頼らず各自で賄っていた。

ボランティアを始めたことで私にも、知人を通して相談が来るようになり、その

ため猫の捕獲器を3個買い揃え、いつでも使えるようにしていた。

 

犬猫好きを自認する人でも、相談者によってその思いには温度差があり、行動力

もバラバラだ。いずれにせよ彼らは皆、命を大切にしたいと考える仲間と言える。

ところが動物嫌いの人間は、信じられないような主張や行動を起こすことがあった。

 

ある時スタッフのAさんに、知人から「野良猫が殺されるのが続き、交番に相談

したが何もしてくれない。」という相談があった。彼女はすぐに動いたがらちが明

かず、最後は公安に「子供達にも危害が加えられるかも知れない」と訴えて、や

っと解決したという。ちなみに犯人は教育者で、それを聞いた時は私も絶句した。

 

トラブルが起きると今迄気付かなかった“人となり”が見えて驚かされることが

あるが、動物が絡んだ場合は特にそれが顕著に表れるようだ。