ほたるBBの 絵と 本と 雑感日記

60代後半に再開したお絵描きと、読書の備忘録。考えさせられたことなども綴ります。

『生き方は星空が教えてくれる(木内鶴彦)』感想

[内容]

著者が臨死体験の時に見た過去と未来、宇宙について語られている。

[感想]

著者は1954年生まれの彗星捜索家。航空自衛隊に勤務していた22歳の時に、

突然病魔に襲われて臨死体験をする。回復後は退官して、子供の頃からの

趣味だった天体観測を再開。その後幾つかの彗星を発見して注目される。

 

著者が臨死体験で見た宇宙の歴史は、宇宙物理学者の考察とはかなり違って

いて、「宇宙の始まりは膨大な意識」でそれは全てを知っているという。更に

 

「私達が生きている世界は、“膨大な意識”が作り出した“ひずみ”が解消に向かう

時のエネルギーの流れであり、その中で様々な経験をすることに意味がある。」

「未来は確定されておらず、2つの情景が重なって見えた。」と続く。

 

臨死体験中に、自分自身の子供の頃の体験も謎解きのように解明されていく。

そこで著者は、過去の出来事は真実かどうか証明できないが、未来に関しては

検証が可能だと考えあちこちに自分のメッセージを残していく。

結果、調べることが出来た場所においては、全て確認が出来たそうだ。

 

本書には美しい天体のカラー写真が何枚も載っていて、観測の話も面白い。

天の川を観ていると、星の奏でる音が一つのメロディになって脳裏に響いて

くるそうで、実際に音が聞こえるわけではないがバッハの曲に似ているとか。

 

観測場所を確保するために、熊とマーキング合戦をした話は面白かった。

しかし山は元々動物たちのテリトリーで、昔の人は山里に畑を作る時、麓に

必ず動物の食物となるような木を植えていたそうで、これには考えさせられた。

 

著者は“人類の役割は地球の自然環境を整えること”と考え、“太古の水”に

取り組み販売もしている。それもあってか、本書を“とんでも”扱いする人がい

るようだ。水のことは私には分からないが、天体観測の解説と共にその他の

エピソードにも良い話が多く、それだけでも読む価値があると思う。