ほたるBBの 絵と 本と 雑感日記

60代後半に再開したお絵描きと、読書の備忘録。考えさせられたことなども綴ります。

『マローボーン家の掟(主演)ジョージ・マッケイ』感想  

[内容]

田舎の一軒家で、自分達だけの掟に従って生きる4人兄妹のサスペンス。

                 (2017年 製作国 米・スペイン)

マローボーン家の掟 [Blu-ray]

[感想]

1968年。イギリから母親と4人の子供達が、アメリカの田舎町にある今は誰

も住む人のない母の生家に引っ越してきた。

何やら訳ありのようで、母親は子供達に「イギリスでのことは全て忘れなさい。」

と言い聞かせ、子供達は言いつけを守って決してその事を口にせず、徐々に

この町に馴染んでいった。

 

しかし間もなく母親が重篤な病となり、長男のジャックに「4人でこの家で暮

らし続けなさい。貴方が21歳になったら、弟妹の面倒を見る権利が得られる

ので、それまでは私の死は隠し通しなさい。」と言い残して亡くなる。

 

程なくしてこの家で幽霊騒ぎが始まり、ジャックは家中の鏡を取り外してし

まう。どうやら屋根裏部屋に秘密があるらしい。

その後はジャックが時々買い出しに行くくらいで、他の3人は外には一歩も

出ずに、母の遺言を守ってひっそりと暮らすようになった。

 

ネタバレになるのでこれ以上は書けないが、一連の出来事には驚くような

真相が隠されており、サイコパスな父親と哀れな弟妹たちの姿は、幽霊騒ぎ

よりも衝撃だった。途中怖いシーンもあるが、どちらかというとヒューマン系

サスペンスかも。

 

長男の心の傷と闇の深さに胸が痛んだが、寄り添ってくれるガールフレンド

の愛情と芯の強さが素晴らしい。事前に想像していた以上に面白い映画で、

予想だにしない展開だが悲しくも心温まるラストが救いだ。