[内容]
田舎の一軒家で、自分達だけの掟に従って生きる4人兄妹のサスペンス。
(2017年 製作国 米・スペイン)
[感想]
1968年。イギリから母親と4人の子供達が、アメリカの田舎町にある今は誰
も住む人のない母の生家に引っ越してきた。
何やら訳ありのようで、母親は子供達に「イギリスでのことは全て忘れなさい。」
と言い聞かせ、子供達は言いつけを守って決してその事を口にせず、徐々に
この町に馴染んでいった。
しかし間もなく母親が重篤な病となり、長男のジャックに「4人でこの家で暮
らし続けなさい。貴方が21歳になったら、弟妹の面倒を見る権利が得られる
ので、それまでは私の死は隠し通しなさい。」と言い残して亡くなる。
程なくしてこの家で幽霊騒ぎが始まり、ジャックは家中の鏡を取り外してし
まう。どうやら屋根裏部屋に秘密があるらしい。
その後はジャックが時々買い出しに行くくらいで、他の3人は外には一歩も
出ずに、母の遺言を守ってひっそりと暮らすようになった。
ネタバレになるのでこれ以上は書けないが、一連の出来事には驚くような
真相が隠されており、サイコパスな父親と哀れな弟妹たちの姿は、幽霊騒ぎ
よりも衝撃だった。途中怖いシーンもあるが、どちらかというとヒューマン系
サスペンスかも。
長男の心の傷と闇の深さに胸が痛んだが、寄り添ってくれるガールフレンド
の愛情と芯の強さが素晴らしい。事前に想像していた以上に面白い映画で、
予想だにしない展開だが悲しくも心温まるラストが救いだ。