[内容]
DJが発した言葉で起きた無差別殺人事件。その遺族の男性とDJの苦しみと、
友情の物語。 (1991年 製作国アメリカ) 映画賞受賞
[感想]
人気DJのジャックは、番組に電話をかけて来たファンの男に、軽いノリで
「滅ぼせ!」と煽り発言。男はその言葉に触発されて、高級バーの客に向けて
銃を乱射してしまう。
3年後ジャックはヒモのような生活をしていて、罪の意識から強迫観念にとらわ
れたアル中のヒネクレ男になっていた。
ある日飲んだくれて川辺を歩いていた時に、ホームレスと間違われてチンピラに
殺されそうになる。その時に助けてくれたのが浮浪者のパリーだった。
パリーは元は大学教授だったが、あの乱射事件の時に、目の前で妻を殺された
為に気が狂ってしまっていた。その事実を知って衝撃を受けたジャックは、罪の
意識から何とか彼の力になろうとする。
パリーとジャックの、それぞれの恋。元シンガーでオカマのホームレス、物乞い
をする傷痍軍人、社会から落ちこぼれた大勢の精神病者に浮浪者…レールから
外れてしまった人達の苦しみや思いも描かれていて、私も考えさせられた。
ある日、今度はパリーがチンピラたちに襲撃されて袋叩きにあい、病院に担ぎ込
まれる。一命は取り留めたが、話しかけても何も反応しなくなったパリーを見た
ジャックは、意を決してパリーが聖杯だと信じていたカップを盗みに行く。
ハラハラさせられるが、思いがけないことが起きてホッとする結果が嬉しい。
よく出来ていたのは、パリーにだけ見える馬上の真っ赤な炎の騎士と、駅の雑踏
の人々が、突然優雅に社交ダンスを踊りだすシーン。この2つには目を奪われた。