[内容]
ホームレスへの奉仕活動をする夫婦と、1人のホームレスの実話に基づい
た気付きと成長の物語。 (2017年 製作国アメリカ)
[感想]
画商のロンは、妻子と共に豪邸で暮らしていたが、ある日妻に浮気がバレて
激しい口論になる。しかし妻はロンを許し、2人の関係の再構築のために、
ロンは黒人のホームレス支援施設で妻の奉仕活動を手伝うことになった。
ある時1人のホームレス(デンバー)が来て、「俺の靴をどこにやった!」と暴
れ周り、皆が驚き怖がる中、意外にもロンの妻が一喝してそれを制止。そして
ロンに、彼こそいつも夢に出てくる男で、彼との出会いは神の導きと言い出す。
その後ロンが何度も接触を試みるうちに、デンバーは少しずつ心を開いていく。
人格破壊者のように見えたデンバーだが、本当は心優しく物事を深く考える人間
で、例えばロンは彼にこんな事を言われて、自分の生き方を考えさせられる。
「俺は1日中川岸で糸を垂らし、釣れると大喜びして皆で分け合った。もしお前
が仲間の為に、釣った魚を逃がすような人間なら友達にはなれない。」
(射撃を楽しむロンに)「銃はオモチャじゃない。俺が撃つのは必要な時だけだ。」
デンバーの生い立ちは壮絶で、育ての祖母亡き後は農奴のような生活を送り、
白人主義者達からのリンチにもあっている。
ある日農園を逃げ出すが、あろうことかバスの運転手相手に強盗を働こうとし
て、10年間刑務所で暮らし、しかもそこで自分の命を守る為に人を殺していた。
夫婦は、涙を流して告白する彼を責める事はなく、デンバーはどんどん明るく
変わっていくが、程なくしてロンの妻に末期の癌が見つかり、別れの時がくる。
エンドロールで実際の彼らの写真と、2人がロンの妻の思いを継いで9年間
各地で講演をし、ホームレスの支援を続けた映像が流れる。良い映画だった。