[内容]
ひき逃げ犯として逮捕された父親を、仲違いしていた息子が弁護する法廷
ヒューマンドラマ。 (2014年 製作国アメリカ)
[感想]
ハンクはやり手の弁護士で「無罪の貧乏人は僕を雇えない。」とうそぶく傲慢
な男。実家とは疎遠で、妻とは娘の親権を争っている状態だ。
ある日、母親が亡くなったという知らせが来て帰省。自営の兄、知的障害の弟、
元彼女との再会など、少しずつハンクの過去が見えて来る。
判事である父親は、この町では名士だ。嘘をつかない実直な人間だが、頑固者。
ハンクが実家と疎遠になったのは、この父親とのわだかまりが原因だった。
葬儀は滞りなく終わったが、帰宅の飛行機の中で父親がひき逃げで捕まったと
いう連絡が来て、急ぎ実家に引き返すことになる。
事故で亡くなった被害者は、かつて父親が判決を下した男で、それだけでも分が
悪いのに、父親には事故の時の記憶が全く無かった。
実は父親は、息子達には隠していたがステージ4の癌で、化学療法の副作用で
記憶障害を起こすようになっていたのだ。
ハンクは何も知らないまま、父親の裁判の弁護を申し出るが、ハンクにわだかまり
を持つ父親はそれを断って若い弁護士を雇う。だが相手の検察官はやり手で全く
太刀打ちできず、途中でこの弁護士が弁護を辞退。父親はやむを得ず息子に弁護
を頼むのだが、ハンクは思ったより厳しい戦いを強いられることになる。
目撃証言やコンビニの監視カメラの映像、そして父親が事故の時の記憶を取り戻
すなどで、少しずつ真相が解明されて残念な結果が出るが、逆に父子のわだかま
りは溶けて、ラストはしみじみとあたたかい。